環境教育ミーティングの翌日、今度は日光に場所を移して、エクスカーションとして開催された「スノーシューツアー」に参加してきました。


ガイドを担当してくださったのは、日光自然博物館の森田さん。今回は、とっておきのコースということで、雪が積もっている今しか入れないコースを案内してくださいました。夏場は、クマザサが胸の高さまで茂り、人を寄せ付けない場所なのだそうです。



スタート地点であるビジターセンターから一つ稜線を越すと、まだ深い雪に覆われた世界が広がっていました。


実は、前半の関東ミーティングでは屋内で過ごしていたため、東京を離れて自然が豊かな栃木に来ているという実感はほとんどないままでした。


しかし、スノーシューをはいて歩きはじめると、ようやく体の中で「おや、ここはどこだ?」という反応が起きてきます。熊が爪を使って木から降りてきた傷跡やシカが角をこすった跡などを見ていると、ようやく「ああ、日光にやってきたんだな。」と実感がわいてきたのでした。


行き届いたガイドをしてくださった森田さんに感謝申し上げます。


トコロジスト生活


ツアー終了後、帰り際にせっかく来たのだからとビジターセンターによって展示を見学させていただくことにしました。


ボクは仕事柄、いろいろな土地のビジターセンターを見学しますが、日光湯元ビジターセンターの展示は、その中でもかなり工夫されているように思いました。


全体に手作り感の漂う展示でしたが、みすぼらしさはありません。日光の動植物の情報を堅苦しくなく来館者に伝えるための様々な工夫がなされていました。


トコロジスト生活


特に好感を持てたのがこの展示。ビジターセンターの展示の中で、よかった展示にシールを張ってもらうアンケートになっていました。来館者の声に耳を傾けようという姿勢が伝わってきます。


トコロジスト生活


一般的に、観光地のビジターセンターでは、来館者が一見さん中心であることが多いため、派手なAVやジオラマに頼った展示が多く、来館者の眼をひくのはいいのですが、いつ来ても中身が変わっていない、というパターンをよく見かけます。来館者の反応を見て工夫を重ねる目を持っていないと、次第に大切なものを見失ってしまう危険があります。


日光湯元ビジターセンターについては、そういったところに陥ることなく、ここまで手をかけているのは立派なものだと思いました。


そして、「花ごよみ」のような、地味だけどこの場所独自の情報発信もきちんとなされていたのもよかったと思います。こういう展示は、地道に現地の情報を集めていないとできないので、見た目よりもずっと手間がかかります。「その場所固有の情報発信」がなされているかどうかは、ビジターセンターを見るときの一つの指標にもなります。


トコロジスト生活


今回の、出張ではいろいろな人と知り合えて、収穫の大きいものとなりました。何人かの方とは、すでにその後の約束をして後につながっていきそうです。


少し寝かせてから、こちらでの新しい企画に生かしていきたいと思います。

栃木のみなさん、ありがとうございました。