「稲城の野鳥地図」を作ってみて感じたことをまとめてみました。


まず、自分の住んでいる街を、「鳥の目」で見ることができたということがすごく面白かった。


今回、フィールドを選ぶにあたっては、あえて普段から自分の足で歩いているエリアを選びました。


通勤ルート、毎朝娘を幼稚園に送るルート、ジョギングで通るルートなど、いずれも良く知っている道ばかりです。


トコロジスト生活

目をつぶっていても歩けそうなほどよく知っている道なのに、今回の体験ではまったく違う街の姿が見えてきました。


特に、市街地に住んでいる鳥の様子を見ていると、鳥と人との距離感が面白い。


電線や電柱、トランスの中、看板の裏、中空になった支柱の中、民家の雨どいなど、ありとあらゆる隙間を巧みに利用して、鳥は暮らしています。


今まで、あまり気をつけて見てこなかった、道路の中央分離帯の裸地や工事現場の荒地にも鳥は暮らしていました。


トコロジスト生活

ボクの場合、普段からそれなりに虫や鳥に目を向けて、生きものに対してそれほど鈍感ではないと思っていたけど、今回のように、地図を片手に、しらみつぶしに片っ端から見ていくと、「ああ、今まで何にも見てなかったんだな。」と思い知らされた気がします。


人が暮らしている空間と鳥が暮らしている空間は、決して切り離されたものではありません。一つの景色の中で、人と鳥の空間が絶妙に折り重なっているということが実感としてつかめた気がします。


そして、他にも虫の目で見えてくる景色もあれば、歴史の目で見えてくる景色もあるはずです。こんなふうに複眼で見れば見るほど、今見ている景色がより立体的に見えてくるに違いないと思います。


“場所への感覚”(sense of plaice)。


自分が今立っている場所に対して、関心を持ち続けたい。今回あらためてそう思いました。