映画館でお世話になってる身なんですけど、刺客を「しきゃく」と読む人が多い!(@チケットのレジ) 過半数ですよ!(※感覚値)
正しくは「しかく」ですが、年配の人も若い人も疑問系で「13人のしきゃく?」
一応、正しい読みの方で復唱してるんだけど、誰も気付いてくれない。刺客は「しかく」って読むんだぜ。「しきゃく」ってなんか言いづらくない?
特攻隊長的あらすじ
明石藩藩主松平斉韶は、残忍非道な行いを公然と行う最凶の暴君だった。しかし、徳川家の世である限り、将軍の弟である斉韶を裁くことは出来ない。さらに、近年、老中に就任することも決まっていた。残虐な斉韶が政に加われば、世が乱れることは火を見るより明らか。
それを憂いた老中土井が、ある密命を下す。
「暴君斉韶の暗殺」
命を受けた島田新左衛門と一騎当千の12人の侍。対するは赤穂藩300人以上の侍。
侍としての己をかけた最初で最後の大戦の火蓋が、きられた!
武士道ものを強火で煮込んだ出来上がり。やりすぎ感もあるけど、セリフがとてもかっこよかった。
武士が内包する矛盾と美学が、きちんとセリフに反映されていました。そのセリフに魂を吹き込んだ役所さんと市村さんが素晴らしかったです。市村さんもっと映画にも出て欲しい。
あと、三池監督の力強い映像も作品に勢いを与えてたと思う。馬!!かっこよかったよ馬!ヒヒーン!
ネタバレあるよ!
侍たちがかっこいい。男らしい男を見たいと思う人は今すぐ劇場へGOですよ。
13人も侍がいるんですけど、割と個性がばらついてて面白かったです。ていうか、伊勢谷の使い方!え!まさかのギャグ要因!? 私の認識間違っていないよね!? まさかの岸部受けに一人で大笑いでした。ら…らめぇ!岸部が壊れちゃうぅ~!(腹筋崩壊)いま流行のBLですよ!(需要ゼロ) 伊勢谷さん目的でいったら…ちょっとがっかりしちゃうかもしんない。
個人的にはエロい人沢村様の底力を見た気がしました。優男が戦うと超かっこいい。容姿に反して戦い方が勇ましいのでさらにときめきました。
容姿に反するといえば、松形弘樹の太刀筋が群を抜いて綺麗でした。流石は金さん!他の人が絶対刃こぼれするよこれ(予備があるけど)というような太刀筋なのに対し、松形弘樹だけは、骨を避け肉を切るように、すらすらと流れるような太刀さばきでした。美しい!雄たけびも容姿もいかついのに太刀筋美麗!(やたら偉そうだったのに、御徒目付組頭だった…。老中とも会話できるお目付けにため口。)
あと、一番ぐっときたというか、切なかったシーンが伊原さんとその門弟の最期だったんですけど、この二人の間には絶対愛がありましたよね!師弟愛なんて言葉じゃ到底収まらないぜあのシーン!
あの小倉の最期の目。絶対平山(伊原さん)のことを愛してただろ。間違いない。(小倉が変な姿勢で平山さん見つめるから私たちも見にくい画面に目を凝らす破目になるんですよ!あの子があんなに真剣に見つめるから!)そして、平山も最期は小倉をじっと見つめて、お前らはボニー&クラウドか!
少女マンガのにおいのするBL(※ボーイズラブ。男性と男性が愛し合う系統の話)ではないのです。もっとごつごつした雰囲気でした。衆道って表現したらいいのかな?男惚れの先って感じ。衆道って書いたけど、二人はプラトニック希望。もちろん、あの瞬間までお互いに気持ちなんて伝えてもない。最後の最後、今わの際で、目だけで思いを伝えたんです。きっと伝わったことも確認できないくらいの今わの際で。
ほんの数分しかないシーンだったんだけど、やけに感動してしまった。吹石さんと山田の別れよりも深く胸にささって、かつ艶があったんだよ~。かっこよかったし。このシーンだけを延々と語りたいくらいだ。
もちろん、鬼頭(市村)と島田(役所)のライバル対決はとてもよかった。
本当に主君のことを思ってるなら、鬼頭は斉韶の首を刎ねるべきだよね。とんでもないことしでかしちゃう前に。と、侍じゃないので思った。
暴君斉韶の残虐と狂気を象徴する、芋虫状態の少女が登場するんですが、それが怖くて怖くて、多分、今日は電気をつけたままじゃないと眠れません。悪夢見ちゃうよ。怖かったよ。百姓なのに字が書けるよ。(どうしても気になってしまった。)怖かったよ。鼻血流すほどの恐怖と怒りがとにかく怖かった。うんこりゃ、PG-12(12歳以下は保護者同伴推奨)だわ!脳裏に焼きついて非常に困っています。怖かったというより今も怖い。(過去形ではなく現在形)
そんな象徴エピソードはどれも身の毛がよだったのですが、ごろうちゃん自体は、別に怖くもなんともなく…あれおかしいな、こんなにぴったりはまる人もいないような気がしたのに、トチ狂い方がイマイチ。私はスーパーアイドルグループの演技がどうもしっくりこない体質みたいだ。でも、ラストの盛下がりはごろちゃんの演技の底の浅さに敗因があると思う。悪役って難しいな~~……。

