click clock chronicle! (3)
やっとこさ3回目です。
この短い文仕上げるのに3回近く書き直した自分が悲しくなる……
結局、最初に書いたのと全然変わらずという本末転倒なことに。
ああっ、心が折れそうだ……
「ん……」
朝。智之は教室の窓際の席でぼんやりと外の風景を見つめながら、大きなあくびを出す。結局、智之の昨日の疑問は解決されることもなく、微妙な違和感を感じつつ浅い眠りにしかつくことが出来なかった。
(やっぱり僕、須賀川さんに自己紹介してないよなぁ……)
智之は、考えれば考えるほど頭に疑問がからみ付いてくる、いわば思考が煮詰まっている状態であった。
「あ~、やっぱりわからないな……」
「……黒河君」
「え!? あ、うわわわっ!」
智之は突然後ろから声をかけられ、ビックリして変な声を上げてしまう。その拍子に、後ろに体重をかけすぎてしまいガタリと後ろへ椅子ごと倒れこんでしまう。
「あっ……」
「いつつつつ……あ、雨宮さんごめん!」
後ろに倒れこんだまま、智之はすぐに謝る。しかし、後ろに倒れたことよりももっと謝るべき事があった。
「あっ……」
「!」
智之の眼前に薄暗くも、ハッキリと白い三角の布地が見えていたのだ。いくら不可抗力とはいえこの光景を見た他のクラスメート、とりわけ女子は悲鳴を上げていた。
「ご、ごめ……がっ!?」
雨宮は顔色ひとつ変えずに右足を上げ、躊躇なく智之の顔を踏み潰す。勿論智之はこの事態に対応できるはずもなく、モロにくらってしまう。
「いたいいたいいたい!! わ、わざとじゃないのに~~!」
「……この助平っ」
「いだあああああっ!! 今目に蹴りが入った!!」
5、6発ほど顔に踏み潰しが入って、ようやく雨宮はその場を離れる。
「……酒々井先生が職員室に来なさい、って」
激痛に悶絶している智之に、雨宮は無表情で伝言を伝えてさっさと自分の席に座った。が、無表情とはいえ明らかに怒りの空気が彼女の周りを包み込んでいた。
そのあまりにも異質な空気に、それなりに騒がしかった教室が一気に静まり返っていた。
「うう……用事って、何なんだよ……」
よろよろと立ち上がり、鼻を押さえながら智之は教室を出る。どうせろくな事じゃないんだろうな、と智之は既に諦めにも似た気分で職員室へと向かう。
「あ、クロト。待ってたわよ」
職員室前には、既に酒々井が待っていた。酒々井の左手には、数枚の書類を手にしていた。
「なんなんですか、もう……生徒をほったらかしでパチに行くような人には構いたくないのが本音なんですけど」
「まあそう言わないで。昨日は勝ったから夕食おごってやるわよー。家に帰っても誰もいないんでしょう?」
智之の両親は、9年前に事故で亡くしていた。いや、正確に言えば勤めていた会社から帰ってこず『失踪』という形で両親を失ってしまった。7年間という長期的な失踪により、両親は2年前に帰らぬ人という形で、書類的には故人として処理された。
智之はその後、母方の叔父に引き取られ立冬町で住むことになった。だが、その叔父もまた仕事の関係で今は立冬町にはいない。智之は、ひとり暮らしを余儀なくされているのである。
「そんなことはどうでもいいんですよ。今雨宮さんから伝言を伝えられたんですが、何の用事ですか」
「ああ……そうね。1つ質問したいことがあるんだけど」
酒々井がそう言い終わると、彼女のそれまでの明るい表情が一気に豹変した。
「アンタ。昔、女性関係でトラブッたことはある?」
「……はあ?」
あまりにも唐突でストレートな質問に、智之の思考が一瞬にしてストップする。
「い……いや?」
『今教室で雨宮さんに蹴られましたけどね』と智之は言ってやりたくなったが、いくら何でもこの話題には関係ないと思ったので否定の言葉を返す。
「恋と昔会った事とかは?」
「会ってたら須賀川さんなんてよそよそしい言い方しませんし、だいたいあんな綺麗なひと、忘れるわけがないですよ」
「だよねぇ……こんなヤワい男に、惚れる男なんて私ぐらいよね~」
「え!?」
その言葉を聴き、智之は1秒もしないうちに3メートル後ずさりする。
「……やーね。冗談よ」
「教師が使っちゃいけないジョークですよ、今の……」
「あ、少し傷つくわ~。このっ」
酒々井は、智之の額をつんつんと突っつく。
「で?それを聞くためにわざわざ僕を呼びつけたんですか?」
「う……いや、その」
酒々井が目をそらし、妙に口ごもる。言いたいことをきっちり言い切る酒々井が言葉を詰まらせるのは、智之も初めて見る光景であった。
酒々井は、思い切ったかのように智之の両肩を掴み、感慨深そうに智之に告げる。
「……お幸せに。イイ男」
「はああ!?」
智之は、今までにないほどの素っ頓狂な声を張り上げてしまう。
と同時に、始業のチャイムが廊下に響き渡る。
「ああ、もうこんな時間か。アンタのとこのHR行かないと」
「え、ちょ……先生って音楽の講師じゃないんですか?」
「アンタのとこの担任、昨日事故に遭って入院したらしいのよ。ま、代役が来るまでの辛抱、ってことよ。さっさと教室に戻りなさい」
そう言うと、酒々井は出席簿を取りに職員室へと戻る。
智之は、呆然と立ち尽くすだけであった。
click clock chronicle! (2)
やっとこさ第二回目の更新。
……早くも心が折れかかってます;;
駅前はいつものように閑散としており、古びたバスが一台停まっているだけだった。
線路越しには、誰もいない砂浜と果てしない拡がりを見せる蒼の海が広がる。隼人が住む立冬町は、ごく小さな海辺の町であり名所らしい名所も無い辺鄙な町である。 智之と酒々井が在籍する立冬高校は一昔前、地元では名門の女子高であった。しかし近年進む少子化と過疎化のあおりをモロに受けてしまい、かつての繁栄は影をひそめるばかりであった。
そういった事情もあり、1年前にそれまでの女子高スタイルから共学化に試験的に実施することとなった。ちなみに智之はその共学化の記念すべき第1期生でもある。
だが試験的な共学化のため、現在全校生徒235人中男子12人という編成。智之はそんな羨ましい……いや、極端な高校に通っているのである。
「しかしウチの学校ってそんなに生徒不足でしたっけ」
「今時の学校なんてそんなものでしょ。今のご時世、どこも大変なのよ」
「だ、大丈夫なんですかそんなので……」
「さあ? 明日にはいきなり『廃校になりました、すんません』の張り紙が張られるかもしれない状況だ、って校長は言ってたけどねー」
「はぁ!? そんなにウチの学校ってやばいんですか!?」
思わず驚きの声を上げてしまう智之。だが酒々井はへらへらと笑いながら、
「ま、あんたが卒業するまでは何とかなるんじゃない?確証はこれっっぽっちもないけどさ」
「先生、転校してもいいですか……」
頭痛がしてきたのか、頭を抱える智之。
「……酒々井先生、ですか?立冬高校の」
駅から女性が静々と歩いて出てくる。
「えっ……」
「は……」
酒々井と隼人は、声を詰まらせる。
確かに、その少女は写真と同じ顔をしていた。しかし、写真では感じることの出来ない気品が、少女には溢れていた。言うならば、どこぞの国の皇女、というのが適切であろう。
海風に微かに揺れる、銀色の髪がさらさらと輝いて見える。肩にはフリルの付いた黒と白のエプロン、五段のペチコート。そして丈の長い黒のスカートと白のソックス。その格好は世間一般で言う、『メイド服』と言うべき服装であった。
「あ……あの。もしかして……」
恐る恐る酒々井が尋ねてみる。
「はじめまして。須賀川恋(すかがわ れん)申します。」
恋と名乗る少女は深々と頭を下げ、挨拶を交わす。
「あ……えっと、その。し、酒々井しのぶです! こら、アンタも頭下げなさい!」
「う、うわわっ!?」
ぐいっ、と智之の後頭部を掴んで強引に頭を下げさせる酒々井。
「はじめまして、酒々井先生に智之様。以後末永きお付き合いを」
「は、はいっ! こちらこそ~!」
物凄く丁寧な対応にふたりは戸惑う。酒々井に至っては戸惑いを通り越して動揺し、声も上ずってしまっていた。
(ちょ、ちょっとどういうことですか? すごい綺麗な人ですけど、なに? あの人はどっかのご令嬢か侍女なんですか!?)
慌てながら、智之は酒々井に小声で話しかける。
(お、おおおお落ち着きなさいクロト! 相手がブルジョワ……いや、セレブだからって庶民が物怖じすることは――)
「あ、あの……どうしましたか?」
「え!? あ、いやいや別に! ただ思ってた以上に綺麗なコだな~って思っちゃって」
「そ、そんな……酒々井先生、恥ずかしいですっ」
かあっと顔を赤らめる恋。そのしぐさ一つ一つに智之はドキッ、と心が揺さぶられる。
「と、ところでさ! その服ってもしかすると……」
「ああこの服ですか。この服は私の知り合いが勧めた服なんですが……あの、もしかして。似合ってませんか……?」
「い、いやいや! その……何というか、私メイド服って初めてみるからさ~! いや私も着てみたいな~、なんつって」
「いや……もうメイド服着たいなんて歳じゃないでしょうに」
「あ!? 今何つった!?」
智之が本音をポツリと漏らすや否や、しのぶは智之の後頭部に平手を喰らわせる。
「!!」
不意打ちを喰らった智之は、そのまま正面から地面に倒れてしまう。どうやら当たりどころが悪かったらしく、智之の意識は一瞬にて吹き飛んでしまったようである。
「私だってまだファンタジックな恋物語やお姫様抱っこに憧れる歳だっつーの!」
「……ふふっ」
その光景を、恋はにっこりと笑いながら見つめる。
「さ、行きましょうか。こんな奴は放っておいて」
しのぶはぽんと恋の肩に手を置きながら、さっき乗っていたタクシーを呼び止める。
「~~~~~~~~~~~~」
「え……いや、あの。気絶してらっしゃるんですが……」
「いーのいーの。この可憐で純粋な乙女を心無い言葉で傷付けた不埒でエ・ロ・イ男にはちょっと痛い目に遭ってもらわないとね」
「は、はぁ……」
「さ、行きましょ」
半ば強引に恋をタクシーに乗せるしのぶ。
智之は、未だに意識が飛んだままになっていた。
「う……」
日も沈み、夜の帳が十分に降り切った時、智之の目がゆっくりと開く。
「いった~……ったく、先生のバカぁ……」
まだ目の焦点が合わない智之の目に、ぼんやりとした人影が映る。それに気づくや否や、ひんやりとした感覚が額に走る。
「あ……智之様?智之様!?」
「え……須賀川さん?」
智之が自分の額に手をやると、濡れた薄い布地の感触が伝わる。
「あ、まだ取っては……」
「これって濡れたハンカチ……もしかして須賀川さん、僕を介抱してくれたんですか」
「ええ、まぁ……酒々井先生が、帰り際に様子見てやってと申してましたので」
「親切だか不親切だか分からない人だな、もう……」
「先生はそのCR蒼穹の……えーとファスナーだか、ファイバーが駅前のパチ屋に出てたから行く、と言って帰りましたが」
「あ……あんの不良教師がーっ!」
やりきれない怒りと無力感が智之に襲い、思わず声を張り上げてしまうが、声は夜の静かな町に響き渡る。
「……ごめん、取り乱しちゃって」
「ううん、いいの。ふふっ……」
くすっ、と恋の表情がほころぶ。
「なんだろう……こんな面白い人たちや楽しいこと、初めてだから……」
「?」
智之の頭に疑問符が浮かび上がる。
「すっごく楽しい時間が過ごせそうだなぁ……って思うんです。何て言いますかその……ドキドキしてるんです、これからの生活に」
「うーん……僕はここで十数年生活してるけど、自然と平和だけしかない町で、なんっも面白いことなんてないよ。あまり期待しない方がいいと思うけど」
「ううん。私の住んでいた所よりも素晴らしい場所ですよ。ここは、昔と全く変わってないんですから」
「え、須賀川さんこの町に来たことあるの?」
「ええ、8年前に。ちょうど今の時期で、お店の並ぶ通りで桃色の花が咲いていたっけ」
「ああ~!桜炎通りの桜のことでしょ」
桜炎通りとは、辺鄙な立冬町の数少ない名物の通りである。毎年桜の時期になると、商店街の通りが桜の花びらで乱れ飛ぶ。その舞い散り方は、海風により非常に美しく、炎の揺らめく様に例えらて、桜炎通りの名前が付けられた。
「さくら……そうですか、あれがさくらなんですね」
「え、知らないの?」
「そういう訳ではないのですが……ただ子供の時の記憶でしたし、それにさくらは他人の話や絵でしか見たことがなかったんですよ……」
そう言うと、恋はすこし沈んだ表情になる。
「……ごめんなさい。暗い話になってしまいましたね」
「あ……ごめん! 僕が悪かったんですっ!」
慌てて取り繕う智之。
「あ……もうこんな時間ですし、じゃあ私はこれで」
「大丈夫ですか? 家までの道、分かりますか」
「酒々井先生に一度案内してくれましたから大丈夫ですよ。先生って、すごく優しい人……なんでしょうね」
「いや。絶対それはないと思うよ」
どうやら、智之はさっき気絶されたことをまだ根に持っているようである。
「ふふっ……それでは、私はこれで。また明日会いましょうね、智之様」
「あ、うん。また明日ね!」
恋は、軽く会釈を添えて商店街の中へと消えていった。
(うーん……須賀川さん、よくあの格好で商店街通り抜けられるな~)
メイド服を着て商店街を通り抜ける恋の姿を想像し、思わず苦笑いをしてしまう智之。
(やべっ、早く家に戻らないと……)
駅前の錆びた時計塔を見ると、7時を回ろうとしていた。
智之もまた、自分の家に足を向け、家路を急ぐ。
「あれ?」
家の玄関前までたどり着いたところで、ふとした疑問が浮かぶ。
「須賀川さんに自己紹介してないよな、僕。でも……どうして、僕の名前を知っているんだろう?」
微かに流れていた風が、少しずつ強くなっていった。
click clock chronicle! (1)
やっとこさ、このブログのメインである「オリジナル小説」なるものを書く事が出来ました^^;
テーマは「日常生活+ラブコメ+ちょっとお色気+その他諸々」です。
お目汚しになってしまうかもしれませんが、ちょこちょこ出来上がり次第更新したいなと思います。
あ、あとキャラクターについても説明を入れたりするかもしれません^^
では。
序
僕達は回り道をするだろう。
先の見えない、平凡とは遠い日常に。
僕達は立ち止まるだろう。
いずれ訪れる「終わり」の前に。
だけど僕達は前に進むだろう。
その先にある「未来」を信じて。
昼休み。
購買で買ったコロッケパンをくわえながら、廊下を歩く。それははたから見れば不作法極まり無い行為であるが、黒河智之(くろかわ ともゆき)の日常にとっては数少ない至福のひとときである。
無法地帯と化した購買前の人波を泳ぎ、揉まれようとも前に突き進む。時には足を踏みつけて、文字通りの足止めをする姑息な手段を使い、苦労の果てに手にした戦利品を噛みしめる。このとき感じる幸福感は、到底言葉では言い表せないものだ。
「ああ、やっぱりこれだよなぁ。学食より、数百倍こっちの方が……」
「なーに食いながら歩いてんだよ」
背後から、程よく力の入ったローキックが智之の脚に入る。
「うわっ……」
「よっ、元気にしてるか。クロト」
智之が後ろを振り向くと、音楽教師の酒々井がへらへら笑っていた。長く束ねた黒髪。程よく締まった身体には合わない豊潤なバストに、クロトは蹴られながらもつい目を奪われる。ちなみに、クロトというのは智之の愛称である。
「先生。生徒を後ろから蹴らないでくれませんか」
「あはは、ごめんごめん。でも物食べながら廊下を歩くのはいただけないなぁ」
「うっ……わかりましたよ」
そう言うや否や、智之は残りのパンを全て口の中へ放り込んだ。
「食うのをやめろって言ったんだけど……まあいいや」
噛み砕いたパンをごくりと飲み込む。
「で、何か用ですか」
「あ、そうそう。今日の放課後ちょっと付き合ってくれない?」
「はい? 付き合うってどういうことですか」
酒々井の言葉に、智之はきょとんとした顔つきになる。
「別に私とデートしろって意味じゃないわよー?そこまで男に飢えてないし、ましてや教え子だしー」
「そういうことを言っているんじゃありません! 部活はどうするんですか部活は!先生は僕たちの吹奏楽の顧問でしょうがっ!」
あくまでもおちゃらけた酒々井の言葉が、智之を怒らせた。
「僕たちって……部員、アンタだけじゃん」
「僕は先生の気まぐれに付き合うほどお人よしじゃありません。吹奏楽の部長として言わせてもらいますけど、用があるなら部活後にお願いします。じゃあ僕はこれで」
智之は捨て台詞を吐き捨てて、くるりと酒々井から背を向け教室へと歩き始める。
「ちょっと待ちなさいって」
立ち去ろうとする智之の肩を、酒々井は引き止めるように掴む。
「これは校長命令なのよ。へたに逆らったらあなたの数学の単位が危うくなるかもよ」
「なっ……汚なっ! それって職権濫用じゃないんですか!?」
「いや、私もこの学校に赴任してきたばかりの一教師だからねー……上には逆らえないのよ」
「はあ……なんか納得いかないんですけど、まあそれだったら……仕方ないですね」
智之は諦めたように、深いため息をひとつついた。
「ごめん! というわけで今日の部活はナシ! 授業終わったら迎えに行くから、ちゃんと待ってなさいよ?」
「はいはい。わかりました」
「じゃあ、私学食行くから。じゃあね。あと歩き食いはやめなさいよ」
「……わかってますよ」
手を軽く振って、酒々井は階段を下りる。
(やっぱり変わり者だよなぁ、酒々井先生は)
美貌と性格に激しいギャップを持つ酒々井は、この高校に来て二週間も経っていない若手教師だ。しかし、彼女はわずか一週間足らずで生徒から愛される人気者とへと成り上がった。分け隔ても無く生徒と接することの出来る性格は女子に理解され、気前のよさと絶妙なプロポーションは男子の心をがっちりと掌握していたからである。
また酒々井は音楽教師でもあり、たったひとりの吹奏楽部の顧問でもある。そういった関係もあり、智之と酒々井の関係はかなり親密になっていた。とはいえ、智之自身は異性に対しては淡白であり、酒々井の大らかかつ楽天的な考え方にはいくらかの抵抗が残っていた。
「まあ、いい人には違いないか」
智之の顔が、わずかに綻んだ。
七限目のチャイムが鳴り号令が挨拶を済ませ、教師が教室を出て息つく間もなく酒々井がやってきた。
「あの……来るのが早いです。まだ帰りのホームルームが終わってないんですが」
「そんなのどうでもいいわよ。さっ、行きましょっ」
酒々井は智之のカバンを強引にひったくり、智之の腕を強引に掴んで足早に教室から去っていった。その姿は、傍目から見れば年の差離れた恋人同士であった。クラスの生徒はふたりをはやしたてながら見送ってくれた。
校門を出ると目の前に、すでにタクシーが停まっていた。どうやら、校長が酒々井と智之のために手配をしてくれたようだ。酒々井は、足早とタクシーの後部座席に乗り込む。
「ほら早く乗って」
智之は、慌てて酒々井の隣へ座る。自動ドアが閉まると、タクシーはゆっくりと走り出す。
「ところで先生。これからどこへ向かうんですか?」
「とりあえず立冬駅ね。人を待たせてあるから」
「人……ですか」
「飛びきり綺麗な人よ。顔立ちなら私や校長以上じゃないかしらね」
「マジっすか!? 先生よりもですか」
「急に食いつきが変わったわね。…エロっ」
「あ、いや……そのひとって、どんな人ですか」
「いやー、クロトってエ・ロ・かったんだなー」
にんまりと、酒々井は笑う。
「からかわないでくださいよ。この位のこと、聞く権利はあるでしょう」
「まあ、それもそうね。だけど、私もその子に会うのは初めてなのよ。だから、ウチの学校の転校生ということしか教えられないわ」
えっ、と智之はちいさく声を上げた。
「どういうことですか、それ。という前に、何で僕がその子と顔合わせしなきゃならない――。」
「あなたの腕を見込んでの、校長直々の依頼だから」
「僕の腕?」
「『変人とうまく付き合える、ウチの学校で唯一の生徒だから』ということらしいわ」
酒々井の言葉を聞き、嫌な予感が智之の脳裏によぎる。
それと同時に、智之の周りに取り巻く友人たちの顔が浮かび上がる。
「……なるほど。じゃあその人も結構変わり者なんですね」
「まあそんな噂があるだけだからねー。あ、よかったら、写真見てみる?」
ばさりと酒々井は智之の膝元に書類と写真をを投げる。智之は、その中の写真の一枚を手にした。
「おおおっ……」
写真に写るその少女は色白で小柄でありながら清楚な雰囲気が漂い、例えるなら『お嬢様』という漢字であった。
女性に対しては、淡白である智之もその写真に写る少女に思わず感嘆の声を呟いてしまった。
「あ、エロい妄想しているでしょ。クロト」
「べっ……別にそんなつもりはない…」
「顔が赤いぞー、おい」
酒々井はつんつんと智之のこめかみをつつく。
「な、ななっ……そ、そんなつもりはっ」
「バーカ、その歳ならエロい妄想するのは何にも恥じる事じゃないわよ。エ・ロ・ク・ロ・トっ」
「……かっ、からかわないでくださいっ!」
顔を赤くしながら、智之は全面否定したところとで、タクシーは止まった。
気付いたけど……
アメブロ開設したはいいけど、自分のデザインセンスのなさに悲しくなってきた……
別にスタイリッシュなデザインを目論んだ訳ではない。なのに、何故黒一色○| ̄|_
でも、他に浮かばないなぁ……
ところで、私のブログの上の部分に載せてある言葉を皆様はご存知でしょうか?
もし知っている方がいらっしゃいましたら、私と年齢が近いかもしれませんね^^;
あるゲームに使われた言葉なのですが……ちょっと古いかな?
(しかし、文字の右下にあるCopylight……何だかよく見かけるから使ってしまったけど、こんな使い方していいのかな?)
始動。
何を思った か、ついにアメブロを始めてしまいました。
それまではハンゲームで細々とブログをやっていたのですが、もっと広い世界に飛び出してみたいと思い、このアメブロに至ったというわけです。
内容なんてその辺のブログより劣ると思ってますが、出来る限り頑張っていこうかと思います。
ついでに、オリジナル小説なーんて書いてみようと……これもほとんど思いつきに近いレベルなのですが^^;
何はともあれ、このブログもスタートを切ることとなりました。
「毎回修羅場」
「毒を食らわば皿まで」
この言葉を忘れずに、頑張っていこうと思います。
