昨日、8月9日の夕方から父親の容態が急変しました。
20時頃に病院から電話があり、心臓を鷲掴みされるような思いで電話に出ました。
「呼吸が荒くなり、目も開けられなくなってきていて意識レベルも低下しているので面会に来られますか?」との事。
すぐに病院へ向かい、夜間入口から入って病室へ。
先生が休みとの事で看護師の方から状況を聞いて父親の隣へ座りました。
酸素マスクを付け、胸を打つ鼓動はとても早く、手を上げて何かを払い落とそうとしているのか、酸素マスクを外そうとしているのか、、これは父親にしか分からない事で僕が『きっとこうだろう』なんて美談のようにするものでもないななんて変に冷静のような、でも違う不思議な感情に襲われます。
ただ、僕が見てる景色は時間がない事だけを突きつけられるようなものです。
手を握り、呼びかけると左目だけ薄ら開きました。時間がない事を悟った僕は「お母さんの事は心配しないで大丈夫。任せて」と言いました。

入院してから日に日に弱っていき、先々週くらいからは言葉を発する声も小さく、言葉を作る舌や喉もうまく機能せず、半分くらいしか理解できない状態でした。
そんな父親が酸素マスク越しに僕にはきちんと届く声量で「たのむ」と言いました。



呼吸がそもそも苦しそうな中、たまにベッドの縁を掴んで身体を右に傾けようとする仕草を何度も何分も何時間も定期的に繰り返しました。
時折開く左目で僕や母親を視認して、こちらの問いかけや言葉に少し反応をしてくれるのですが、「たのむ」の一言以降ハッキリとした言葉は何一つ無かったと思います。
コロナの影響もあり、僕か母親どちらか一人だけ朝まで付いていてもらって構わないとの事で車ですぐ駆けつけられる僕が一旦家に帰ります。
深夜2時くらいだったと思います。

朝、母親と交代するためにも目を瞑りますが眠りにつけるはずもなく病院に来ました。
酸素マスク単体から袋が付いたものに替わっていて、呼吸も深夜の倍くらい速いのでは?というほどの速さで胸とお腹で呼吸をしています。
もう開眼も難しく、こちらの問い掛けにも反応できないほどと聞いてましたが僕が着き「お父さん」と話しかけると呼吸に混ざって声が、というより吐息で返事をしているような応答がありました。
これも僕の勝手な解釈になってしまうのかもしれないし、ただ音に反応しているだけかもしれない。
でも僕は母親が帰って二人きりになった病室で言うべき事を言いました。

そして今も尚、頑張って必死で呼吸をしてくれている父親の隣でコレを書いています。


後悔はいくらでも口から出てきます。だから全てを後回しに。