お久しぶりです。


初秋の空気に包まれている朝霧高原です。









雪の残る庭で点々と猫の足跡を見つけた日

あれはまだ2月  

氷点下8度の寒さが続いていた頃でした。


ほんの数粒のキャットフードを庭に置いたことが、このストーリーの始まりです。





姿を見せないし、すぐ逃げてしまうし、

だんだん慣れてくると

「シャー!!シャー!」「フーッ!!」と威嚇しながらも必死にフードを食べに来ていた1匹の猫。


ガリガリに痩せている小さな黒猫





【写真を撮らせてくれるまでに慣れてきた頃】



猫風邪にかかっていて

左眼が半分しか開いてなくて





それでも

毎日の様に姿を見せるようになったので、

フードを用意して、寒さがしのげるように発泡スチロールの箱に毛布を敷いて軒下に置きました。



春になり、

発泡スチロールの箱から段ボールの箱へ。

毛布はバスタオルへと変わりました。




その黒猫を【くろ】と名付けました。


傷だらけの【くろ】
でも、くつろいでいる感じ









くろちゃんにガールフレンドも出来ました。
















「くろ🐈‍⬛!」と呼ぶと
トコトコ近づいて来るほど懐いてくれました。



猫風邪がなかなか良くならないので、動物病院に連れて行き検査をすると


猫エイズ(FIV)に罹患していることが判明

猫エイズについてたくさん調べました。

普通の猫なら自然に治ってしまうケガや風邪もFIVの子は重症化したり、やがては空気中の常在菌(普通は何も影響受けない超弱小菌類)にさえ感染し、最後は亡くなってしまう恐ろしい病気です。

猫エイズは猫属にしか移りませんが
治療薬がありません。


いずれ我が家の愛猫コムギやアズキと一緒に
うちの子として室内で飼えられたらいいな。

室内飼いが無理なら、今までの様にダニやノミの駆除薬や、予防接種をしてあげて外飼いかな

と思っていたのに

まさかFIVに感染!

野生動物が多く生息する我が家エリアです。
ちょっとしたケガや感染病もクロの寿命を奪うでしょう。

かと言って

コムギやアズキとは一緒に飼うことが出来ません。


隔離が必用です。


本当に残念で、
とても悔しくて、どうしたらいいのだろう、、、






コムギ  12歳
アズキ    7歳(保護猫)




仕事の合間

8月6日に
【くろ】の去勢手術を受けました。

発情期の女の子を巡る激しいバトルに巻き込まれないようにするため

【くろ】のようなエイズの子を増やさないため



麻酔で眠っているクロを
そっと車に乗せて静かに家に連れ帰った時は、
体調の回復を待って今まで通り外に放すという選択肢も残っていました。



【麻痺から一向に覚めないクロ】

眼を開けたまま眠っています。


体温調節や眼が乾かないように目薬をつけtながら見守りました。



朝9時半に動物病院で処置を受け、

早い子は夕方にゴハンを食べられますよ

と説明を受けましたが






夜7時すぎにやっと口元がピクピク



ホッとしたものの

身体が動く気配は全くありません。


しかし、その頃から激しい嘔吐が始まりました。

吐瀉液が喉に詰まらない様に

顔の向きを注意して、何度もタオルを取り替えて、、


嘔吐は日付が替わって翌朝5時過ぎまで続きました。


たくさんの消化液を何十回と吐いてしまうので、食道も痛めたでしょう。

身体が波打って

悲鳴の様な声を漏らし、、


それでも、

クロはよろめきながら猫トイレで用をたしてくれました。



クロが麻酔からなかなか覚めずに心配している時、こんな出来事がありました。



お水入れを洗おうと、私が裏口のドアを開けたとたん、クロが突然起き上がり脱兎の如く外に飛び出したんです!!!


まだまだ動けないし、立ち上がれない状態なのに、突然の出来事でした!


まさか!

此処で見失ったらもう会えなくなる!


痛い思いをさせられて

ここから逃げたい!って思うのは当然だ、、!



慌ててクロの後を追いました。





少し離れた所でクロは立ち止まり

すくっと4本足で立ったままこちらを振り返りました。



クロの目の前には草むらが広がっています。

硬く背の高い草やトゲのある植物、斜面にもなっていて、そんな中に飛び込まれたら日が暮れかかり薄暗くなってきた中、黒猫を探すのは困難だったでしょう。



私が追いつき、そっと抱きあげると

くろは腕の中で大人しくしていました。







今までの様に外で危険と隣合わせの短い一生を私たちが呼ぶ【自由】としてに生きる道


病気やケガのリスクが激減する隔離された室内で、毎日同じ景色だけを見て、人と生きる道



クロのしあわせはなんだろう?

クロはどちらを望むだろう?


ずっとずっと考え悩みながらこの日を迎えました。



クロの脱走の出来事は

クロ自身が道を選んでくれたんじゃないのかなって、、、。

都合の良い解釈ですが

答えがでないで悩んでいた私に代わり

自分で決めてくれたんじゃないかなと

思いたいです。



もう迷いません!



ずーっと一緒に生きていこう!!





長い話しに最後までお付き合いくださり

ありがとうございました。