不動産は高いものが人気 -3ページ目

不動産は高いものが人気

どうしてよい物件はないものか

「そりぁ、計画はそうだったさ。だが来週まで延ばすことにしたんだ」
 彼女は不審な様子でスパイダーの顔を凝っと見詰めた。女と云うものは堅い殼を[#「堅い殼を」はママ]透して皮の下まで見抜く不思議な力を持っているものだ。彼は彼女に凝視されていると何だか気味悪くなって来た。
「ええ、よくってよ」彼女は皮肉に云った。
「そんな嘘なんか、聞きたくないわ。ほんとに仕事は何うだったの? あたしだって、これには関係してるんじゃありませんか」
「しらばっくれなくてもいいだろう」彼は不機嫌な声で云いながら巻煙草に火を点けた。
「お前達は、皆んな知ってるんじゃないか――」

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彼を一気に活躍させた。そして、ありっけの力をこめて相手の頭上に恐しい一撃を加えた。鈍い骨の砕ける様な音と共に闖入者はよろめくと、そのまま床に倒れてしまった。
 スパイダーは電燈のスイッチを捻った。彼の心臓は早鐘のように動悸を打ち、息ははげしく喘いでいた。そして瞳をこらして被害者の顔を覗き込むと、思わず驚愕の叫びをあげて、死体の上に蔽いかぶさる様にうずくまった。
「ドルガン! スラッグ・ドルガンだ!」


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スパイダーに取ってはそれだけでも充分だった。しかし巧くゆけばもう少し位出させることは出来るかも知れないし、スヌッドにしてもいよいよ現実に手に入るとなれば分前の高を増してれるかも知れない。だが、そんな事は後で何うにでもなる、それより今は代物を手に入れることが肝心だ、とスパイダーは考えた。
 彫像が楽に持運びが出来る程の大きさなのを見てとると、彼は安心してにやりと微笑した。それは床から五フィートばかりの壁に設えたずしの中に納められてあった。淡い間接照明の光は、奥深い洞穴の様な感じを与えていた。所が龕のぐ前には長楕円形の金魚鉢があったので、スパイダーはずこの鉢を除けてからでなければ彫像に手を触れることは出来なかった。
 よく見ると鉢の中の金魚は拵え物だった。


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