かけません。まじで。もう……
3,4本書き始めては見たものの、どうにもむりだ。かけぬ。一番最後に書いたやつなんて
「ねえ、相原クンさぁ、すごい深爪してない?痛くないの?」
たまたま隣り合わせに座った女の子に訊ねられた。え?と睦月が瞬きをすると、彼女の綺麗に塗られたパウダーピンクの爪が目に入って、そしてその些か鋭い見た目とは裏腹に柔らかな指の腹が、少し黒鉛に汚れた睦月の手をとった。「ほら、手の甲側から指先が見えてるよ。すごく痛そう」。真っ黒のマスカラに彩られた目元が睦月を見上げていた。
だったよ。誰だよその女。ちょっとそこかわれよ……
