初投稿です。
誰が見てることやら、、、
まず簡単にルイス ブニュエルについて、
1900年、スペインにて生誕
1928年、サルバドールダリと共同で、「アンダルシアの犬」を監督する。
1930年、再びダリと共に「黄金時代」を監督するも、政治的な事件により上映禁止に。
1946年、メキシコに移住、映画制作を行う
1963年以降、フランスに拠点を移す。
1983年、メキシコシティにて死去。
本作のあらすじ
メキシコシティの貧民街、
母から拒絶にも近い扱いを受けている少年ペドロは
盲人など立場の弱い人々から盗みを働き暮していた。
刑務所から抜け出してきたリーダー格のハイボの殺人を目の当たりにしたペドロは彼に口止めをされる、、
母に認められるように必死に働くペドロであったがその前にハイボが立ちはだかり、、、
投稿者がブニュエルの映画を見たのは10代の頃、アンダルシアの犬を父親に勧められたのが最初でした。
ダリの絵画も見たことありますし、シュールレアリズムにも多少の耐性はあるつもりでした。
ですが当時のアンダルシアの犬への感想は、退屈、不快、理解不能、、でした。
そもそもダリ主導の映画らしくブニュエルのテイストは僅かですが、その映画を見て一介の映画オタクであった私にはブニュエルは合わないのだ、と印象を植え付けました。
忘れられた人々を見ることになったのは再び父からの影響です。
DVDを購入したが一気に見切れないので貸してやる。
そう言い私の家に円盤を置いて帰っていったのです。
あまり気乗りしませんでしたがなんとなく見てみることに。
ふーん、ブニュエルって普通に面白いんだな
これが感想でした。
ハイボのスレンダーなシルエット、印象的な影の使い方、当時にしてもベタ過ぎる音楽の使い方、
到底ハリウッドの作りではありません。
どちらかと言えば1919年のガリガリ博士に近いような
陰影的な印象です。
黒澤のニュアンスに近い、軽快なカット割にリアリティのある演出、日本人映画オタクにはたまらないのでは、、?
シンプルな作りが、クラシック映画の様相を醸し出しますがやはりブニュエル、微妙な違和感をもってケレン味を産み出します。
意図的でないかも、、、と思うほどに僅かな違和感ですが、それらの細かな積み重ねがこの映画を明確にブニュエル節に染め上げています。
アンダルシアの犬で心折れた同士にこそ見てほしい逸品です。