12月28日幕張での欅をたった今観終わって、全員が、そして真ん中の小林由依(さん)が、完全に覚悟を決めた顔していた。




前日27日、仕事の合間に知り合いの構成作家深田さんと会って、まあ深田さんとは欅で知り合い、会えば基本入り口は欅の話なんだけど、そん時深田さんが『もうこれ集大成みたいじゃないですか』って言ってたの聞いてなるほど、と思った。


27日はMステ特番で、長らくライブ、テレビでやってない黒い羊、更に東京ドーム2日目1発のみの角を曲がる。ここに至るまで2019年末のテレビシリーズは、アンビバレント、二人セゾン、避雷針、風に吹かれても、などもちろん既発曲。で、31日紅白の大一番で不協和音。なるほど、集大成だ。


黒い羊Mステバージョンは、ご覧の通りMVの様な展開。観て思ったのは、フルサイズではないもののあそこまで色々掛けないと演るに至らない、そんくらい力込めないと披露出来ない曲なんだって事。


これを言うと、『いやいやプロなんだからやりなさいよ』って言う人もそりゃ当然いる、わかる。『結局今年1枚しかシングル出てないじゃん』、これもわかる。今まで、欅にしろ坂道にしろ2枚、3枚は年間出てるし。でもまあこれらはあくまでも前例なわけですよ前例。前例は前の人がやった流れでしょう、人が違えば向き合い方も違う、そもそも今まで欅はそうやってきた、歌ってきたわけで、こればっかりは仕方がない、ってのは語弊があるな、本人達がそう判断したのならそれが全て。そりゃ悔しい想いもあるでしょうよ、それらを全部受け止めての発売延期なわけだから。Mステ黒い羊があそこまで賭けてやらなければならない様に、1枚のシングルにしても、『前を越えなくてはならない』『前と同じではいけない』『自分達を越えないといけない』らとの闘いに勝利しないとならないのであり、これは我々の想像を優に絶する。


これに纏わる運営、大人の皆さんの諸々、これも想像を優に絶する。


だから何にも言うつもりも権利もない、俺はそう思っている。そしてこの中心にいるのは20歳前後の女の子達、40歳の俺がやんや言うのは狂気の沙汰。これがもし公園だとしたら、突然知らないおじさんが高校生の女の子捕まえて『君はもうちょっとやる気出した方が良いね』、即通報。羽交い締め。


そんな事思いながら28日土曜、12時スタート、4つあるうちの1番デカいステージのトップを今年も欅が飾る。


曲は、確か危なっかしい計画、エキセントリック、Student Dance、以外は全部シングル、羊以外の。


二人セゾンの小池さんがとにかく漲っていて、腕の回り方、そんなとこに気持ちってやっぱ入るんだなあと思ったし、小林由依さん真ん中のサイレントマジョリティー、ガラスを割れ!、アンビバレント、とにかく顔が、あ、これは欅を背負った人、欅と心中する人、欅の真ん中である事の覚悟を決めた顔に見えて胸が打たれ、アンビバの途中からは体力のピークを越えたか、このままぶっ倒れるんじゃないかって心配、他のみんなも息絶え絶え、思わず眉をしかめて手に汗握る。


が、これが、苦しい皆さんを前にこんな事思っちゃダメだけど、良かった。例えばボクシング、9Rの頃は綺麗にステップも踏めなくなるだろうけど、それでも食らいついてここぞという機会を狙ってる。


踊りはそりゃ揃ってるのが良いんだろうけど、それは俺の中であくまでも技術の問題、俺は欅に技術を求めてんじゃない、気迫を感じたいんだ、だから、試合の終盤に来てフラフラになりながらも眼光だけは鋭く、それでも使命を完遂する事だけに狙いを定め邁進する集団に心をぐわんぐわんにされる、これなんだ、俺が好きな欅は。


アンビバレント終わって、時間的に終了なのかと思ったら、キャプテンが『それでは次が最後の曲です』って言った時、斜め後ろの確か守屋茜さんだったと思う、眼つきが瞬間で鋭くなり、その一瞬で『あ、不協和音来る』、と思った、で、イントロ。爆発。


集大成。東京ドーム2日目観て、もうこれが全て、ここで終わっても良い、って思ったけど、2019年12月28日現在、今も欅は続いている。


今までこんな事何回かあった。それでも続いてる。


本人達も、本気でこのライブで仕留めてやる、って思いながら演ってんだろう。でも立ち上がりまた続く。2019年が終わり、2020年の欅も、きっとそうなんだろう。