紫式部ゆかりの蘆山寺を後にして、

(そういえば今年の大河ドラマ「光る君へ」の主人公でしたね。)

次に向かったのは、

通りを挟んですぐの京都御苑の中にある

京都迎賓館です。

 

 

京都迎賓館は、海外からの賓客に対し

歴史的、文化的側面も含めた幅広い対日理解を醸成する為、

 

京都御苑の敷地内に

2005年4月に開館しました。

 

 

建設にあたっては、

大工、左官、建具、庭園といった

11種類の伝統技能者の技を活用し、

 

館内には、

漆、錺金物(かざりかなもの)、西陣織といった

14種類の伝統技能を活用した調度品が配置されています。

 

そんな館内を、係員の案内を聞きながら巡ることが出来る

ガイドツアーに参加したのですが、

 

次々と繰り出される匠の技に、

心の中は

 

へー!

ほ〜♡

 

という感嘆の嵐でした。

 

 

招待されたゲストの控室、随行員の待合として利用される聚楽の間には、

京指物(きょうさしもの)の技能と西陣織が使われた安楽椅子が並んでいます。

 

 

会議や晩餐会の待合として使用されている夕映の間には、

綴れ織(つづれおり)の技法を用いた2.3×8.6mの織物「比叡月映(ひえいげつえい)」と、

 

 

その反対側には「愛宕夕照(あたごゆうしょう)」。

京都の東西の山を表現する綴れ織が、

夕映の間の東西の壁面を装飾しています。

 

 

そして、夕映の間の向かいには

「庭屋一如」の思想で造られた庭園が広がっています。

 

 

続いて、高度な技術によって柱を無くすことで、

遮るものなく庭を眺めることを可能にした藤の間。

 

 

藤の間の床に敷かれた緞通(だんつう=手織りカーペットの一種)には、

織物に描かれた藤の花が舞い散ります。

藤の花言葉は「歓迎」なのだとか。

 

 

藤の花も好きなんですよねー。

やっぱり紫だからか!?

風になびく姿が美しいなと。

愛媛県の大三島藤公園で満開の藤に感動したので、1枚差し込んでおきます笑

 

 

そして、建設に関わった和の匠たちのインタビューを見ていると、

皆さん同じことをおっしゃっています。

 

 

「技を見せびらかすな、見えないところに技を使え」

(京建具トクダ 徳田敏昭氏)

 

 

「見た目の派手さではなく、見えないところにも手をかけなければいけません。」

 

「あとの人が見ても恥ずかしくない、自分が本当におもしろい、ええと思うもんをつくりたいですな。」

(西村石灯呂店 西村金造氏)

 

 

「まがい物ではないほんまもんを創り、後世に残るものにしたい。」

(森本錺金具製作所 森本安之助氏)

 

 

更には、徳田氏の言葉に

 

「人は究極に心を打たれるのだと思う」

 

とありました。

 

 

まさに、私が匠の技に心ひかれる理由は、

 

生み出された“もの”の素晴らしさももちろんですが、

匠の“在り方”に、

清々しさと美しさを感じるからなのだと思います。

 

 

京都迎賓館の総工費は約200億円だそうですが、

 

これだけの伝統と知恵と技と精神がふんだんに盛り込まれた建物であれば、

200億円も納得でした。

 

ちなみに、大阪万博の会場建設費は、誘致時で1,250億円、

23年秋には最大2,350億円に膨らんだそうです。

 

 

生き金と死に金という言葉がありますが、

 

京都迎賓館は、

200億円が生きている、と思いました。

 

清々しい在り方、

そして本領を発揮した作り手が生み出すものには

気持ち良くお金を払いたくなる。

 

そこには気持ちの良いエネルギー循環が生まれるのだなと思いました。

 

続きます♪