初めての検査は一人でちゃんとこなし、泣くこともなく終了しました。

同席して居ないので内容こそあまり分からなかったが、本人はゲームだと思ってやっていたようです。






数週間後、結果を聞きに再受診。


先生の診断は


「境界域発達遅滞」

「自閉症スペクトラム」


だろうと言う検査結果が出たとのことでした。

そこで私は結果を聞いて実はホッとしました・・・・自分が不安に思っていたのは間違いじゃなかったんだなと。


そのまま先生と一緒に来ていた母と今後についての話です。母も実はそうじゃないかなと思ってたので、理解も早く協力的で助かりました。


姫と話すときは、ゆっくり短的に。

見通しを立てて、日々の行動をルーティン化する。

イレギュラーなことをする時は分かりやすく説明をして、納得してから行動する。


等々色々アドバイスをもらい、その日は帰りました。

初めての診察は姫には色々大変だったようです。


まず、病院はいつもの小児喘息で通っているかかりつけのクリニックより大きな総合病院。着いた時点でもう軽くパニックになってました。


診察は通常の診察が終わってから発達外来です。姫はもう診察室へ入る前から異常にベッタリさんでした。



いよいよ診察。
姫は先生と挨拶さえせず、黙って椅子に座ってました。先生が話しかけても首を傾げるだけ。一見人見知りかなぁと思われるような雰囲気でした。
色々家や園での様子を私が先生に話している間も、姫はジッと座っています。先生が気をきかせて待合室の方でテレビを見ても良いよと言っても、首を横に振って動きません。


一通り私が現状を伝えると、先生は


「検査、してみようか。うん、この様子じゃあちょっとしておいた方が色々スッキリするかもね。」


と姫の様子も見ながら話しました。



もうこの時既に私は覚悟してました。姫には何かしらあるだろう、それならそれで姫に出来る育て方をしようと。


そうしてその日は検査の日取りを決め、診察を終えました。
姫が年長さんになって数ヶ月。園のPTAが主催のとある講演会がありました。


それは小児発達の診察もしている小児科の先生が、発達障害についての講演をしてくれるということでした。



姫の3歳児検診の件もあり、自分自身元々教員の勉強もしてた事があってそういうのも知っておこうと、参加しました。園での講演だったので、園へ向かい講演を聞く・・・だけで終わるはずでした。




講演を聞いてたら姫の日々の行動に当てはまることがドンドン出てくる・・・心の中ではやっぱりそうなのかなと不安感が増えていくばかり・・・そんな講演会でした。

講演後、話をしてくださった先生に直接話が出来るということだったので、姫の事を少し相談してみようかと思いました。




小児科の先生に話しかけようと待っていると、逆に園長先生から声をかけられました。園長先生は、自分が通ってた頃から居る何でも話せる先生です。我が家の家庭の事情も知っているので、普段から参観日でも声を掛け合ってたほどです。
その園長先生が、
「零ちゃん、姫ちゃんの事でちょっと気になった事があったんだけど・・・」
と数日前にあった遠足での話を教えてくれました。



内容は簡単に書くと、姫は遠足中ずっと園長先生の居場所を「園長先生ー!見ててね!!」と言って確認して、自分の居場所を知って貰い、お友達とも殆ど遊ばず一人で何かをしたら、園長先生の元へ・・・と繰り返してたそうです。
それが偶々なのかと園長先生も思い、数日様子を見ていたら教室でも担任の先生に、周り状況も考えずいつでも先生に話しかけていたり、なかなか落ち着いていれない状況が少し見えるかな・・・とのことでした。
園長先生も、前年は入ったばっかりだったから「初めてだからねぇー」で済んでたけど、2年目だから・・・と控えめに話してくれました。



その話を聞いて、私の思ってる不安が園での生活でも・・・とショックを受けてました。実際、姫は家や買い物へ行っても少し私や私の両親の姿が見えないとすぐ不安になって、泣いたり、大体5分に1度は居場所を確認してました。


私は園長先生に家での様子、講演会で聞いて不安になったこと、3歳児検診の件、全てを話しました。



すると、園長先生も
「それはちょっと小児科の先生に相談してみようか、話してみてアドバイスしてもえたら園での生活や家での不安もなくなるかもしれないし。」
と話し、園長先生も一緒に相談してもらいました。



小児科の先生に園長先生とその場で簡単に相談したのですが、そこですぐ

「うん、今話聞いただけだけど1回診察に連れておいで。お子さんを実際見てないけど、お母さんが気になったままじゃあ子供も不安になるよ。うん、先生も一緒に来てもらっても良いよ。」

と、診察を勧められました。




その後、家に帰り母に相談し後日、不安を解消するためにその小児科の先生の診察をすることを決めました。
姫が5歳になる年の春、姫は幼稚園に入園しました。


幼稚園は自分が当時通っていた幼稚園。先生も何人かまだ残ってて、皆懐かしく思ってくれて自分が分からない事を相談するのも、相談しやすいと思いその園に通わせることにしました。



姫は途中入園さん、他にも数人一緒の子は居ましたが殆どが年少さんからもう通っている子。色々心配はつきませんでした。この頃から私は幼稚園の費用を稼ぐために、近所のファストフード店で夕方から数時間や土曜の深夜から朝までの時間に働くようになりました。姫には申し訳なかったのですが、その分、園の行事はしっかり参加してました。


まず入って1ヶ月ほどは、通園のバスに乗ると泣く。これはまぁ子供なりに不安になって泣いてました。


次に、参観日に行くと姫は私を見つけると来るのが遅いと涙目に・・・いや参観日に遅れている訳ではないのです、ただ居るのを確認すると安心して泣くのです。


その後、発表会等の行事が近くになると家で色々興奮したり落ち着きが無くなったり、普段より大きな声で会話をすることが多くなりました。


初めての事ばかりで姫も不安なのかな?と当時は思っていました。


園でも普段から担任の先生に朝から色々話しかけるほど、おしゃべり好きなんだなと思われるほどしょっちゅう話をしていました。



今考えるとこれらは全部姫なりのサインだったのです。




1年間姫は元気に幼稚園生活を過ごし、年長さんになった春、ある出来事が起きました。
3歳児検診で不安ならと勧められ受けた発達相談。



相談日を予約し、一応家での様子もメモして向かいました。検診から日があいていたので、親とも気になることを纏めておいて聞いた方が良いかもとそれも持っていきました。



結果から言うと



「そんなに気にならないけどねぇ。」



と。



姫は相談中、数人の大人に囲まれながらそこにあったおもちゃで遊びに、その様子を担当の保健師さんや心理士さんが見ていました。


持っていった心配な点を話しても


「まぁちょっと遅くてもこの程度ならねぇ、幼稚園行きだしたらすぐ皆と揃うわよ。」


と言われ、相談も終了でした。



そこまで言われてしまうと、もうどうもならずあまり気にせず姫は慎重派な子なのだ、と考えるようにしました。