あれは大学3年の春のこと。大学の構内にも所々に桜が咲き乱れ、今年も新入生が春の装いに身を包み、これから始まるであろう新しい人生の門出に胸躍らせている季節。

 
意気揚々と歩いてくる若人を尻目に、私はバス停の脇にあるベンチに座ってぼんやり空を見上げていた。

「ハァ。」ふとした瞬間にため息がもれる。

いつも変わらない毎日、マンネリ、いや一人倦怠期とでいうのだろうか、なんともいえない閉塞感が漂っていた。

当時、田舎から出てきたばかりの純朴な新入生だった私は、ここぞとばかりに思い切って華やかなイメージのあるテニスサークルに入ってみたものの、どうにもイマイチ馴染めない日々が続いている。


  「ここらで新しいサークルに入ってみるのも悪くないか。」


 唐突な思いつきではあったが、そう考えるやいなや早速、サークル募集の掲示板に一通り目を通す。
さすがに3年ともなると入れるサークルも少なかったが、学年不問と書かれている一枚の張り紙を見つけた。  

  

 どうやら、旅行サークルらしいのだが、名前は「唐津沢研究会」という少々相容れぬものである。

しかしながら、他にめぼしいものも見当たらず、これも何かの縁だと膳は急げとばかりに、現代っ子らしくメールで連絡を取った。そして後日、サークルの説明会に赴くことへとなったのである。




きたる説明会の当日、私はやや緊張しながらもサークルの部室の前まで行くと、震える手でドアノブをぎこちなく回した。

「ガチャ。」なんともいえぬ金属の乾いた音が周囲に響き渡る。


中に入ると、サークルの部員とおぼしき人達が妙にあたたかい目でこちらを見ていた。


どうやら新入生と間違えていたようである。そうそうに誤解を解いたものの、途端に3年から入るという恥ずかしさが込み上げてきてやや伏目がちに説明を聞いていた。


時がたち緊張もほぐれ目の焦点も合ってきたころ、私は、目の前にいる人たちの顔を改めて見回した。


すると明らかにストライクゾーン一直線の可愛らしい女の子が一人いるではないか、


そうそれがまさに現代版「未知との遭遇」であった。



つづく。


近頃は、花粉症の季節到来ということでマスクを手放せない生活が続いている。

今宵もいつものように、帰宅途中の近所のコンビニで晩ご飯を物色し、わが家までの暗い夜道をとぼとぼ歩いていた。

「夜はまだまだ冷えるな」、少し冷たくなった手に「はぁ」と息を吹きかけながら帰路を急ぐ。暦の上では、春も到来したが、まだまだ寒い日が続いて折、根っから寒がりな私は、いまだに3,4年前に買った、やや年季の入った薄手のマフラーを愛用している。


にぎやかな繁華街から少し離れた、ひっそりとした住宅街を道なりに10分ほど歩いて、築20年のやや時代遅れなアパートに着いた。おもむろにポストの中を覗くと、一通の手紙が来ていることに気付いた。


どうやら大学時代に在籍していたサークルの同窓会をするという連絡らしい。このご時世に、わざわざ手紙でよこすのがうちのサークルらしい。


手紙にさっと目を通しながら、当時気になっていた同じサークルの女の子のことを思い出した。


後輩であるその女の子は、初めて会った時から否がおうにも意識せざるを得ない存在であった。

その子は聞きしに勝る小悪魔タイプと言うか、思わせぶりというか、


特に私みたいなモテない典型的な男は、

 「もしかして俺のこと好きなんじゃないか。」

と思ってみては、

 「いやいや勘違いだろ、ふぅー恥かくところだった。」


の繰り返しであり、自意識過剰と突っ込まれざるを得ない状態に追い込まれることもしばしばあった。


ということで誰に頼まれるでもなく自分なりに当時を掘り下げていくこととする。

 
なお多少は記憶の改ざん、誇張などをしているかもしれないのであしからず。



つづく。

飽きっぽいもので、すっかり更新を放棄しておりました。





さてココ数ヶ月で買ったものですが、





ジャーナルスタンダードで濃紺のデニムパンツ





エディフィスで緑色のVネックニット





nonnativeで紺色のPコート



ナノユニバースでグレーのダウンベスト



あと何気にユニクロでシャツとかもろもろ買いました。節約、節約。