68歳まで、大きな病気はおろか、風邪も引かないような健康な母でした。

そのせいか「病院に行く」というのは本人の中では大事(おおごと)だったようで、私が定期検診を勧めても「どこも悪くないから大丈夫」と言って聞き入れませんでした。
もちろん、あとで後悔するのですが。

そんな母に最初の異変が起きたのは、2015年の5月。
大腸がん発覚の1年3ヶ月前です。

地元の内科で何気なく受けた健康診断で、「重度の貧血」という結果が出ました。
血液のヘモグロビン濃度の、成人女性の正常値が「12」以上のところ、母の数値は「5」だったとのこと。

明らかに異常な数値でした。担当医にも精密検査をするよう勧められたのに、そのときの母は重視せず放置してしまいました。