秋です。

 観光のシーズンでもあり、紅葉のきれいな京都では嵐電が大活躍する季節です。

 ところが、観光地のない都電では秋といっても、特に観光客が押し寄せる名所がない。


 桜の季節はあれほど乗客がごった返すのに、もったいない気もする。

 嵐電は、嵐山と大宮を結ぶ路線と、帷子ノ辻から分岐して北野白梅町を結ぶ2路線が運行している。

 どちらも市民の足となっているが、観光の足を担っている点も見逃せない。

 特に嵐山エリアへのアクセスは抜群。


都電ひとつばなし


 都電では飛鳥山が桜のシーズン以外にも、観光拠点として整備が進んでいる。

 しかし、1000年の歴史を持つ京都と、400年の江戸とでは観光地としての風格は歴然とした差がある。


 なにより、徳川吉宗が整備した飛鳥山はともかくとして、都電沿線は江戸ではなかったのだから、歴史としてはまだまだで、名所旧跡で劣るのは否めない。


 それでも、観光に路面電車が有益であることは近年に証明されていることだから、京都・嵐電の活躍が都電ほか各地の路面電車にとって刺激になるだろう。


 秋の行楽シーズンに、路面電車の旅をプランニングしてみては?