6月13日に発生した都電同士の追突事故。
そんなに大した事故ではなかったからなのか、マスコミから続報はほとんどない。
なのに、この日、事故現場には多くのマスコミが詰め掛けた。まぁ、ニュースがなかったんだろうとは思うけど、それはそれとして、今後こうした事故が起きないように事故を総括してみたい。
今回、事故が起きたのは9時半頃。ラッシュのピークが一段楽しているとはいえ、まだ閑散時ではない。なぜ、そんな時間に試運転がなされていたのか? これはかなり疑問だ。とはいえ、次回からはちゃんと閑散時に行えばクリアできる問題である。
もうひとつ槍玉に挙がっていたのは、試運転がされていることが通知されていなかったことである。
通知しても、事故が防げたのかどうかはともかく、こうした連絡事項は基本中の基本である。
特に鉄道の運行において、情報管理は大きなウエイトを占める。
とはいえ、これもクリアできる課題だろう。
マスコミが指摘していた問題に、ATS(自動安全装置)が都電荒川線には設置されていないことが挙げられていた。
これはマスコミの不勉強としか言いようがない。もし、今回の事故で、「荒川線にはATSがないから危険だ!」という論調が出るとしたら、それは都電の実情を知らないだけである。
そもそも、併用軌道区間を有する都電荒川線にといて、ATSの設置は運行を不可能にすると言っても過言ではない。併用軌道区間で、渋滞に巻き込まれて数珠繋ぎになる都電を、利用者なら一度は目にしたことがあるはずだ。
もしATSが設置されたら、こうした数珠繋ぎ状態も、危険と判断されて、電車は強制的に停止させられる。
こうした状態は、何も併用軌道区間だけではない。
高岩寺の縁日、大塚の阿波踊り、飛鳥山の桜が満開の頃は土日は、いつものように、電車は需要に追いつかず、増車してカバーしているが、そうしたときに電車は数珠繋ぎになる。
そうした弾力的な運行は、ATSがないから実現できる熟練の技でもある。
マスコミがどれだけ都電荒川線の実情を知っているのかは不明だが、ATSがないことを即危険と決めつけるような報道はどうかなという気がした。
まず間違いなく、今回の事故でも都電にATSが設置されることはないだろう。
しかし、それで都電荒川線が危険というわけではないのだ。
(写真はマスコミが事故調査委員会に詰め寄っている場面)
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