都電唯一の営業所、荒川営業所の2階に立ち入ることは、なかなか難しい。  取材で、何回か2階にお邪魔したことがあるのだが、2階には食堂や会議室などがある。  2階の一番奥の部屋には、数々の都電にまつわるグッズを保管した部屋がある。  電停標や方向幕といった部品は倉庫に保存されていて、路面電車の日や都電荒川線の日などに一般公開されているが、これはあくまでも一部にしか過ぎない。倉庫や2階に眠る数々の懐かしい品は、かなりの数ある。  取材でお邪魔して、懐かしい品々や交通局が撮影した昔の写真を手に取ると、ついつい時間を忘れて見入ってしまう。都電好きの私には、1日では到底見切れないほどの貴重なお宝がそこには存在した。  保存しているとはいえ、博物館のようにちゃんとしたショーケースに入っているわけでもないから劣化は激しい。かといって、都電博物館ができてしまうと、これらの品々を手にとって眺める機会はなくなってしまうだろう。  悩ましい問題である。 都電部品