都電の三ノ輪橋は荒川区。そこから3分も歩かないうちに台東区になる。少し遠いのだが、10分ほどで樋口一葉記念館がある(現在は、西浅草に移転中)  樋口一葉(本名:奈津)といえば、近代女性としては初の紙幣の肖像画に採用された人物でもある。  今でこそブームも沈静化したけれど、新紙幣が導入された当時は、それこそ樋口一葉記念館にはたくさんの見物客が来ていた。  周辺には、奈津が生活していた跡が残っている。この竜泉の街を散策しながら、明治を駆け抜けた女性の生き方に思いを馳せる……。当時は、まだ都電(当時は王子電気軌道)が開業さえしていなかった。  都電が三ノ輪橋まで開業するのは、1924(大正14)年だから、早世していなかったら、奈津は都電を見たはずである。明治の女流作家は、どんなふうに都電を描いただろうか……? 樋口一葉記念館