労働弁護士戸田マイクです。
長時間労働が大きな社会問題となっています。
本格的な長時間労働のテーマはまた扱うとして、今日は、午前0時を過ぎて働いた場合の問題です。
さて、次の夜勤シフトで考えてみましょう。
・11月11日 夜勤シフト:21:00~翌12日朝9:00の勤務(休憩あり)
・11月12日 夜勤明け休日(夜勤終了後に帰宅⇒寝る!)
・11月13日 日勤シフト:9:00~18:00勤務
まあ、よくあるシフトですね。夜勤明けと次の日のシフトまでは24時間空いてます。
一見何の問題もなさそうです。一体どんな問題があるんでしょうか。
実は、見過ごされがちですが、労働基準法の「休日」が与えられているのかという問題があります。
労働基準法における「休日」は、午前0時から午後12時までの24時間(昭23・4・5基発535号)。
つまり、午前0時を超えて勤務をしたら、暦が変わったその日はもう「休日」ではありません。
勤務と勤務の間が24時間空いていたとしてもダメです。
上の例で言うと,11月12日は,午前0時を超えて朝9:00までの勤務となっていますので,労基法の「休日」ではない。
この例外はありますが、たとえば、工場などの8時間三交替連続操業の勤務など、極めて規則的な番方交替制の場合等、限定されています(昭63・3・14基発150号)。
結局、よくある「夜勤明け休み」は,労働基準法上の「休日」には該当しないのです。
どうしてかというと、やっぱり夜勤明けって、休みと言ってもどうしても体が休まらないんですよね。夜勤明けに遊びに行くのもきついし。
しっかりと労働から解放されるには暦日基準の24時間を空けるべし、と考えているわけです。至極健全です。
さて、
と、いうことは、夜勤制の会社は全て労基法違反ですか?労基署がやってくるんですか?
と驚く社長様方。
いえいえ、直ちにそうなるわけではないです。
ここで、休日に関する労基法のルール
労働基準法の要求する法定休日は、週1回、又は4週間を通じて4日です(労基法35条1項、2項)。
つまり、明け休み等とは別に、「夜勤明け休み」以外の通常休日が、週1回ある場合は労基法には違反しない。
そうでなくても、1ヶ月単位のシフト制(変形労働時間制)で、4週間の中に4日の通常休日があれば、労基法には違反しません。
全うな会社であれば、この点をクリアしていることがほとんどですので、労働基準法には違反しません。
・・・しかし、労基法に違反する会社もないわけではありません。
1ヶ月を通じて「夜勤明け休み」だけしか休みがない場合は極端ですが、実際に「休日」とカウントできる日が月に2~3日しかない会社は危険。
これは労働基準法違反の可能性が大
実際、時折目にします。
たとえば、看護師さんの休みがほぼ「夜勤明け休み」しかとれていないような病院を見たことがあります。連続勤務が極めて長く、非常に過酷な労働環境になっていました。
また、夜勤シフトの会社でなくとも同じ問題は起きます。
残業が多く、休日の前日も午前0時を超えて残業が必要な会社も危険です。
やはり、人は働いてばかりはできません。
「休日」があるからこそ、次の労働に向けた活力ができる。
会社には、「休日」に対する正しい理解が必要ですね。
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