2018.08.08初回投稿

2024.09.04最終更新

 

 わたくし、草薙素数が訪れた建築や構造物を、素人なりの寸評と写真でお届けするコーナー『鉄コン其古卍』のはじまり、はじまり。神社仏閣はじめ、博物館、美術館から商業施設まで幅広く取り上げてまいります。

 

 ひとくちに建築・構造物といっても数が余りにも多いので、基本、取り上げるのは次の三点全てに当てはまると判断したスポットとします。

1.鉄筋コンクリート造はじめ近現代の工法で建造されていること

2.建物内外の構造やデザインが近現代的、斬新かつユニークであること

3.そして何より、わたくしが「行って見てみたい!」と思えること

 

たとえば、こんなん↓

イメージ:秋田市立体育館・渡辺豊和作、画像はWikipediaより


 ときに、このコーナーの名称『鉄コン其古卍』とは何ぞや? 「鉄コン」が鉄筋コンクリートを示すのはイメージして頂けるかと。引っ掛かるのは「其古卍」のトコですよね。スミマセン。これ、わたしの造語で、読み方はないのです・・・

 でも、各文字に込めた思いはちゃんとありままして、「其」は、神社の参道~階段~鳥居をビジュアライズする漢字として採用しました。 「古」は、上半分の「十」でキリスト教の十字架をイメージし、下の「口」はハコモノ、つまり、あらゆる建築物を表すシンボルとして使っています。 「卍」は地図記号どおり、仏教寺院を表しています。文字順は、並べた時の見た目が良いと思ってコレにしました。

 つづいて、 「なんでこんなことやるか?」について。キッカケは、 原作・貴志祐介のアニメ『新世界より』の背景デザインに惹かれて。この一点に尽きます。下に実際の背景画をいくつか。

~清浄寺~
アニメ「新世界より」の清浄寺

物語の舞台となる地域住民全員が「洗礼」を受けるお寺。寺でありながら、神社の鳥居をデフォルメした門に注連縄がかかっています。その後ろに、仏教の相輪をモチーフとしたかのような一対の塔が配されており、門とのコントラストに心がザワザワさせられます。


~清浄寺:::争乱の後~
アニメ「新世界より」の清浄寺。争乱で焼け落ちた後

「偽りの神」は、人間のことです(ネタバレ、ゴメン


~渡辺早季の家~
アニメ「新世界より」の渡辺早季の家

主人公の自宅。山形県鶴岡市の国指定重要文化財・渋谷家住宅を彷彿とさせます。

~全人学級~
アニメ「新世界より」の全人学級

中高一貫のような学校ですが、実は、落第者や素行不良の者には死あるのみという、おそろしい場所。デザインの元ネタは土合駅駅舎なんじゃないかと推測しています。

 

等々。


 で、アニメ『新世界より』っぽいデザインで、実在する建築をネットで漁っていたら、いろんな方面に興味が拡散して、大変なことになりそうです。(2018年8月現在、日本国内の「行って見てみたい」スポット数が800件を超えてしまいました・・・

(;゚Д゚)ノシ オイオイ、ダイジョウブカ?


 ちょっと真面目な話しを。鉄コン其古卍で取り上げる建築物や構造物って、早いものだと竣工から10年くらいで解体されてしまうことがあるんです。

 

 たとえば、高崎正治さんの作品で、わたしが大好きな<EARTH ARCHITECTURE - 第二大地の建築>という物件がありまし。下は往時の威容。

 

画像はWikipediaより

 

 場所は現在の西東京市、1994年に完成。 “ ヒトカドの建築”としては、築浅な部類です。この物件のことを知ってから、「すわ、絶対見に行くぞ!」とばかり、所在地を探れども探れども、一向に情報が見当たらない。

 

 それもそのはず、2004年に解体されてたのですから…。種々事情があったにせよ、この建築を解体するという発想は、わたくしの脳ミソには「ちょっと何言ってるか分からない」(by サンドイッチマン・富澤)状態です。

 

 他に、解体されてしまった名(迷?)建築は、

○鰻谷チルドレン・ミュージアム:若林広幸作、大阪市

○キリンプラザ大阪:高松伸作、大阪市

○出雲大社庁の舎:菊竹清訓作、出雲市

○呉市民会館:坂倉準三作、呉市

などなど、多々あります。菊竹氏に関しては、同氏の代表作・都城市民会館の解体の是非を巡って侃々諤々喧々囂々、議論がなされています。(2019.7、間もなく解体の予定)


 ネットや書籍を漁った感覚で申せば、第二次世界大戦以前の建築は、持ち主はじめ、ひろく市民にその価値を認められて、保存・継承されていく傾向が強いみたいです。

 

 ところが、大戦後の建築となると、皆さん容赦なく解体しちゃう。残念ながら、近現代建築の存続期間は、伝統建築と比較すると著しく短いのが現実です。そこで一念発起し、この企画をはじめようと思った次第です。

 さあ、一緒に心がザワつく建築物や構造物を見る旅に出ましょう。

 

2018.10.24追記

 2018年8月から約2カ月にわたり、35の物件を取り上げてみました。しかし、ネット上の評価(=アクセス数)は全くダメダメ。

 

 この結果を受け、同年10月以降、記事化するのは個人的に「イイね♡」となったものに絞り込むこととしました。

 

 併せて、本コーナーの読み方を定めましたので、ここに宣言します。てっこんきっこーまん=テッコンキッコーマンとします

 

2018.11.20更新

 マイマップが形になってきたので、公開します。

 

 マップ上のマーカーは、ネットに散らばる情報を手作業で集めました。現在、お寺から商業施設にいたるまで約1900件。マーカーは、わたくしの関心度に応じて、色分けされております。

 

:是非とも行って見たいモノ

:青ピンのうち、早急に行った方がよさそうなモノ

水色:機会があれば見てみたいモノ

緑系:一旦スルーと決めたモノ

黄色×印:現存しないモノ

モノクロピン:既に行ったところ。黒が「こりゃスゲー」と思った地点

 

 水色を中心に、順次、回って参りま~す!