Ж 遠 ζ 吾 ξ 界 Ж -4ページ目

Ж 遠 ζ 吾 ξ 界 Ж

ドンドン楽しくて面白くて良い記事を作成し更新していきたいので…



宜しくお願い致します♪

桜の季節ということで、ちょっとしたお話を作ってみました。

ご覧ください……








春日和で、とてもすっきりとした青空の下で…

大きな、とても大きな桜の木がある。

それは、とある村にある…

風音の丘[かざおとのおか]という丘にあり…

村民からは、御神木、御神桜とも崇められて…

村民からは大事にされている。

そして別名[フウネヒメ]とも呼ばれている。

そのフウネヒメ…

いや、わたしは…

村民からは、フウネヒメと呼ばれているが…

わたしは、ただの桜の木である。













このわたしには、とても仲の良い人がいる。

その人とは、今から80年前のこと…

この、わたしの前で…

「あぁぁぁーうぅぅぅぅー」

「うっ、産まれそうか!?今すぐに産婆さん呼んでくるからのう!!」

と、産婆さんを、お父さんが呼んできて…

産声をあげた、その子、その人は…

わたしの仲良しである「フネ」である。

「フネ」という名前は、大体分かるとは思うが、何故その名前になったかというと…

わたしの前で、フネのお母さんから産まれてきて、女の子で…

わたしの名を入れたいということで…

わたしは別名のフウネヒメから、フウネでは、わたしにご迷惑ということで…

「ウ」を取って、「フネ」と名付けた。














そのフネは、すくすくと成長していき…

フネが6歳になった時…

その日、わたしところに会いに来ていて…

「ねぇ…、フウネヒメ。おだんごつくってあげようか?」

そうフネは言うと、わたしの近くにある泥を取りに行き…

「フウネヒメに、いっぱいいっぱいおだんごつくってあげるからね。ちょっとまっててね。」

と、1個…、2個…、3個…、と、次々と作っていき…

「ああ~、つかれちゃった…。でも、フウネヒメのために、もっともっと…、いっぱいいっっっぱぁぁぁーい、つくらなきゃね…。」

と、すでに…、20個は泥だんごを作ってはいたが、フネとしてはまだまだ足らないみたいで…

フネの手と顔は、泥でかなり汚れながら…

わたしのために…

64個の泥だんごを作ってくれた…。そして…

「ふぁぁ~ん。ねむたくなっちゃったから…、おうちにかえるね…。フウネヒメ…、またね。」

フネはヨタヨタしながら、帰って行った。

で、わたしとしては…

泥だんごを作ってくれて、嬉しいのだが…



……………。



有り難く思わないと、バチが当たるな…。

フネ、ありがとう。



それから更に成長していき…

フネが18歳になったある夜…














その日、わたしのところに来て…

「フウネヒメも見てるよね?あの綺麗なお月さま…。」

わたしは確かに見ている。綺麗な月だ。

そして…

「あのね…、フウネヒメ。私ね…、お見合いすることになったんだ…。」

そうか…、フネはそういう歳になったのかと、桜のわたしは思い…

「私大丈夫かな?当然こんなことは初めてだし…、緊張して、相手の人に迷惑をかけないかなぁ…。」

フネは下を向きながら、小さな声で言った…。そして…

「だけど、何とか精一杯頑張ってやりたい。その精一杯頑張っていけるように、フウネヒメに力付けてもらうために、お願いしに来たんだよ。」

そしてわたしに額をつけて…

「フウネヒメ…、私を見守っていて下さい。宜しくお願い致します。」

フネは力強い声で、わたしにお願いしてきた…。

フネがわたしに対して…、敬語をつかって…

ここまでのことをしてきたのは…、

今までで、初めてのことだった…。



それから数日後…



フネが明るい笑顔で、わたしのところに来て…

「フウネヒメ。私を見守ってくれて、ありがとう。私…、お見合いがうまくいって、結婚することになりました。」














「フウネヒメに、すぐに報告がしたくてしたくて…、本当にありがとう。」

そしてその後から来た…

「フウネヒメ、フネさんを幸せにしますので、これからも、私達をどうか見守っていて下さい。」

フネの夫となる人からも、報告とお願いがあった。



それから、フネとフネの夫との幸せな結婚生活の日々は続き…



結婚してから2年後…



二人に女の子が産まれて…



そしてそれから2年後に…



次は男の子が誕生した。



フネとフネの夫に、長女と長男が居て…



家庭円満の日々の時の流れが過ぎ…



どんどん時は流れ…



その長女と長男共に結婚をして…



長女夫婦にも、長男夫婦にも…



子供が産まれて…



フネとフネの夫に孫ができた。



それから時は流れて…



フネが78歳になった時…

フネは、病気を患って、車椅子生活をしていた…。

そして、娘に車椅子を押してもらい…

わたしのところに、会いに来た…。

「フウネヒメ、会いに来たよ…。」

「フウネヒメ、こんにちは…。」














「フウネヒメのところに来ると…、本当に気持ちが優しくなるよ…。」

「そうだよね。私もお母さんと一緒で、気持ちが優しくなるよ…。」

そしてフネは、わたしを下から上へ見上げて…

「ねぇ…、フウネヒメ…、私はあなたのそばで産まれて、あなたと一緒に生きてきたね…。」

そして、フネは満面の笑みとなり…

「私達…、さくらんぼだよね。」

「アハハ、お母さん何言ってるの?」

「フウネヒメと私は、さくらんぼの二つの実で、いつも一緒で、繋がっているってことだよ。」

「そういえばそうだよね…。お母さん、フウネヒメ、笑ったりしてごめんなさい…。」

「別に謝ることではないよ…。ウフフ」

「じゃああれだね…、フウネヒメは当然の桜なので…、さくらんぼなら…、桜って漢字に変えて…」

「桜んぼかい。」

「ちょっ、ちょっとお母さん…、先に言わないでよぉ…。」

「良いね、本当に…、フウネヒメと私は、桜んぼだね…。フフ」

と、二人は笑いながら話をしていたが…

「ねっ、ねぇ…、フウネヒメ…。」

フネは、それまで明るかったのが…



急に声を震わせ…



目に涙を浮かべながら…



「わっ、私は…、このように…、大変な病気で…、くっ、車椅子に乗っているよ…。私はおそらく…、長くはないと思うんだ…。」



フネの目からは…



涙が流れて出した…



「だから…、だっ、だから……、ごっ、ごめんね……。フウネヒメより先に…、あの世に逝くよ……。」

「おっ、お母さん。やっ、やめてぇ。そんなこと言わないで……。」



「ごっ、ごめんよぉ……。もっ、もう……、私は体が辛いんだよ……。」

「おっ、お願いだから……、言わないでよぉ……、そんなことぉ……。」



「なので…、今日がフウネヒメと会うのは最後になると思う……。」

「お母さんいい加減にしてよ…。私怒るよ…。」



フネは泣きながら…、娘は怒り泣きながら…

そして………



「フウネヒメ……。長い間……、私の支えになってくれて……、本当の本当に……



 ありがとう……



 これからも元気に生きていってね……



 さようなら………。。。。」












その言葉の通りで…

その後は二度と…

わたしのところに来ることはなかった…。






そしてそれからフネが80歳になった年に……






フネの娘が、わたしのところに来て……






フネの死去を伝えにきた。












そして、今年も…

わたしの桜の花は…

満開となった。






当然、わたしには…

人のように…

涙を流せないが…






わたしの感情表現は…






フネ……



フネと一緒に過ごすことが出来て……



楽しかった……



わたしこそ……



本当の本当に……



ありがとう……



あの世から……



わたしを見守っていてね……



桜んぼとして……。。。。。。