「スキャンダル2」です。
<#13 愛が壊れるとき Nobody Likes Babies>
改めて、アメリカの正義っていうのは何なんだろうかって思いますね。
正直、正義の"せ"の字も語る権利のないようなヤツらが偉そうに堂々と語るのがこの言葉であり、だから現代社会では「正義」って言葉に胡散臭さというニュアンスが入らざるを得ないという。
今考えてみれば、ションダライムズが政権政党に共和党を持ってきたこと自体に、ドラマにリアリティを与えるための思惑があったのでしょうね。別に民主党なら清廉潔白かっていうとそんなことはないけど、少なくとも人権意識は格段に違うでしょ。
今回も重要な秘密が明らかになったので、ネタバレ御免でまいります。
今回、死んでしまったからあまりうるさく言うのも憚られますが、ヴェルナ・ソーントンというあの最悪の最高裁判事、判事どころか人間としても人権意識が最低で、権力欲や地位と名誉にしか関心がないような人間が、実はフィッツ襲撃の首謀者だったという事実に、ホント納得しました。そして、末期がんの病床で、「私は今こうして裁きを受けている」みたいなことを言うワケだけど、ふざけんなと思いましたよ。何の罪もない人だって、癌に冒されることだってありますよ。そのくらいの苦しみであんたの莫大すぎる罪を少しでも免責されるだなんて思ってほしくないわ。
そして、彼女が死ぬ前に全てを告白するためにフィッツを呼ぶんですが、このフィッツがまた判事同様に地位と名誉欲に包まれたちっぽけな人間でホントに良かったね。全てを知ったフィッツは、死ぬ前に罪を公に告白しようとしているヴェルナの呼吸器を外し死に至らしめてしまいました。お陰でヴェルナの社会的地位は守られたまま、彼女は無事、天国へと召されて行きました。天国に行けたかどうかは知らないけれど、それについては生きてる人間が想像するしかないわけだから、もうどっちだっていいでしょ。
そして自分が不正選挙で当選したニセモノ大統領だったという事実を知るや、それに加担した周りに人間たちを逆恨みし始めるフィッツ。特にその矛先がオリヴィアに行って、プロポーズを断りフィッツを待つことを決意した彼女に、あられもない言葉を投げかける。僕は離婚はしない、僕たちはもう終わりだ、と。
オリヴィアとしてはそらもう、ビックリしたよねー。でもあんたたちみたいな犯罪者たちの「真実の愛」なんてそんなもんじゃないんですか。もう真実が何かなんてことすら考えたって寂しくなるだけ。正直に権力欲だけを肥やしにして生きていった方がよほど潔いんじゃないの。
オリヴィア自身も、胸に手を当てて少し考えた方がいい、なぜ自分がフィッツみたいな単なる優男を好きになったのか。多分、大統領だからってのは大きいでしょ。自分はワシントンをこの手に握る最高に有能なフィクサーなわけだから、相手の男もトップレベルの権力のある男でないとって、そういうことだと思うんだよね。
そして今回、ヴェルナの呼吸器を外したことで、ただの優男でカタチだけの大物だったフィッツは蛹を脱いだ蝶として羽ばたき始めたってことでもあると思うんですよ。恥を知らない権力者として、一歩突き抜けた。自ら死に至らしめたヴェルナのお葬式で堂々と弔辞を読みヴェルナの功績を余すところなくたたえる姿勢、感心したよね、いろんな意味で。だから、オリヴィアも甘い恋バナばっかりやってないで、現実問題として、毒を以て毒を制すくらいの「権力者の恋」に目覚めてもいいんじゃないの? そう、オリヴィアにももう少し、冷静な自己分析が必要。ワシントンのフィクサーを名乗るってのは、魂を捨てた冷酷な権力者、みたいなことでないと、やってけないんじゃないのかな。
そういう意味では、大統領夫人のメリー、彼女は最初からそういう素質ありますよ。思いっきり悪い意味でね。今回の原題の副題「Nobody Likes Babies」ってのはそんなメリーの今回の決め台詞。赤ちゃんを産むことで大統領を始めアメリカの気持ちをぐっと引きよせた彼女だったけれど、結局「赤ちゃんなんて、みんな嫌いよ」と思ってる。利用すべきものはとことん利用しつくす。すごい女ですよねホントに。ああいう腹黒さ、冷酷さがないとこの世界ではやってけないっていう、今回のエピを象徴する言葉でした。
それにしても今回、一番見てて面白かったし手に汗握る展開だったのはサイラス&ジェイムズ二人のやり取りとその後の展開だったと思います。
服を脱げっていう二人のやり取りはもう、笑えて泣ける。コメディなんだけど本人たちは大まじめってところがとても面白い。
そして、サイラスが遂にジェイムズの暗殺を指令、ギリギリまで行って、やっぱりできなかった。いろんな意味でため息・・・みたいになってたら、今度は法廷で宣誓後キッパリ、堂々と嘘の証言を撤回して、恋人を守るジェイムズ。
この辺は、リアリティあると思いますよ、なんだかんだいって、自分の恋人を殺したり、牢屋に入れたりすることはできないよね、愛してるんだから♡
そういうわけで、真の意味で、魑魅魍魎の渦巻くホワイトハウスとなったわけで、今後の展開はますます楽しみです。
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