俺はハルカと内心で嫌がっているのを悟られないように学校に行った。
俺が通っている高校は平凡だ。少しサークルが多いくらいだろう。
今は早くこいつと離れたいのでサッサと席に座る。
窓の方に俺の席はある。
外を眺めてみると秋だというのにセミの抜け殻があった。
まだセミの抜け殻が残っているとは思わなかった。
季節に取り残される抜け殻。
ここにハルカがいれば「まるで君みたいだね。」と言いそうだ。
想像するだけでタメ息が口から漏れる。
だがそんな俺の思考を終わらせるかのようにHRの時間が来た。
さて、適当に聞いておこう。叱られるのはお断りしたい。
そして時は放課後へ。
俺はハルカに捕まらないように学校を出る。
今日は絵を書く日なのだ。
俺はアトリエに向かう。
だがアトリエと言っても大したものではない。
ただ親がいなくなった部屋をそう使っているだけだ。
特に思い入れはない。生まれた頃からどちらもいなかったから。
親の遺産で今まで生きてきた。
別に誰かに言ったことはなかった。
だって、聞かれなかったから。
だが、一人だけいる。親のことを聞いた奴は。
ハルカだ。アイツに親の話をしたのは中学3年の時だ。
経緯などは言わない。思い出したくもない。
だが考えて見るとアイツが今のように絡んでくるようになったのは親の話をしたころからかと思う。
そんなことを考えているうちにアトリエにたどり着いた。
さあ、絵を書こう。そして気を晴らそう。そう考えていた。
だが、この日、描いた絵は黒く塗りつぶしてしまった。