だって春だもん

ワーニャは子供の頃から海が大好き



しかしモスクワのあるロシア西部は
北側の北極海にしか海に面しておらず、
ほとんどの国民は海外へ行くことはできなかったため
ワーニャは大きくなるまで
実際に海で泳ぐことはありませんでした

そのため泳ぐことが大好きだったワーニャが
泳いだのは　海ではなく川や湖



それから夏のバケーションシーズンには



ロシア南部にある黒海まで出かけたのだそうです


じりじりと肌を焦がすような太陽の下、
真っ青な海で泳ぐことは
ワーニャの憧れだったのだと言います


ところでロシアの長い長い冬が終わるのは
4月の終わりから5月にかけて

この頃にはようやく雪が溶けはじめ
気温も0度を上回るようになります



まだちょっと寒くっても
気分はすっかり春！

ワーニャは友達と一目散に
氷が解けたばかりの川へ出かけ


















春一番の川泳ぎ！

もちろんこんな季節に泳ぐのは
ロシアでもあまり普通のことではなかったそうですが
ワーニャたちは　春がきて泳げるようになるのが
うれしくって仕方がなかったのだと言います

しかし　いくら暖かくなってきたとは言え
まだうっすら雪が残っているような季節に
泳いでいると












手足が冷えて
動かなくなってきます

そこで登場するのが…
























　は　り

春一番に川で泳ぐのに針は欠かせないものでした

泳いでいて手足が動かなくなってきたら
ママの裁縫道具箱から借りてきたこの針を…


























　刺　す！

こうすると刺された痛みで手足に感覚が戻り
また楽しく泳げたのだそうです…

長い間待ちわびていた春のうれしさの前には
水の冷たさも針の痛さも
気にならなかったんでしょうか…


ちなみに大人になった今でもワーニャは海が大好き

夏に泳ぎに行きたいのはもちろん
10月くらいになっても天気が良い週末には
「海に泳ぎに行きましょ！」などと
大興奮で提案してくるのでありました

　　　　　　　　　 　
　　　　　　　　　　　　　無理やって何回言ったらわかんねん