うらしまワーニャの初オープンカフェ
ソビエト崩壊後、すぐに日本へやってきたワーニャは
たった10年で母国がほどでこんなにも変わってしまうとは
夢にも思っていなかったと言います
特に5年~10年前は
2~3年に1度のペースで帰国する度に
その変わりように驚くばかりでした
モスクワの街のあちこちに
派手な広告がいくつも掲げられ、
夜にはキラキラと輝くイルミネーション
なかでもワーニャがびっくりしたのは
レストランの数が激増したこと
特にオープンカフェスタイルのお店を見た時には
思わず自分の目を疑ってしまったのだそうです
というのもワーニャが生まれ育ったソビエト時代、
外食は正しくないことでした
毎日勉学や仕事に励み、
そして家で手作りの食事をとることが
正しい生活
例えば ソビエト時代の古い子供向けアニメーションには
こんな話がよく出てきたのだそうです
仕事もしないで遊んでばかりの青年が
両親のお金を奪って
レストランへ出かけます
しかしレストランは悪の巣窟
青年は知らず知らずの間に
アメリカのスパイにつけこまれ、
利用されるようになってしまうのです
ちなみに話はここから 正義の味方のKGB:ソ連国家保安委員会職員が現れ
青年を救った後、アメリカ人スパイをコテンパンにやっつけちゃって
めでたしめでたしでおわります
そう、特別な時でもないのにレストランに行くような人は
とんでもない不良だったのです
そんなソビエト時代には当然レストランの数自体が少なく、
外食しているところを 堂々と人目にさらすオープンカフェなど
絶対にありえない存在でした
それがたった数年の間に
街中のあちこちに当たり前のように並ぶようになったのですから
ワーニャが驚くのも無理はありません
ある年、ワーニャと私はモスクワを訪れた際に
その中の1軒に入ってみました
しかし食事が終わってそろそろ出ようか、
という頃になると
なぜかワーニャが急にそわそわしだします
何事かと思っていると…
なんで?
お財布はワーニャが持っているし
そもそもなんでロシア語が片言の私がお会計?
そう、初めてロシアのオープンカフェに入ったワーニャ
テーブル会計なのか
どこかにあるであろうレジまで行かなければならないのか
わからないけれど
自分の国なのに
そんな当たり前のことがわからないのは恥ずかしい
なので 明らかに見た目もしゃべり方も
外国人の私がわからないのなら
恥ずかしくないから、と 私に頼んだというのです
信じられない…
だって日本でのワーニャは
特技:質問
趣味:質問
私が知っていることであろうが
目の前に書いてあることであろうが
お構いなしに質問しまくり
そんなワーニャが自分の国だからといって
みんなが当たり前にやっていることを
質問するのは恥ずかしいだなんて…
ロシア人が隣にいるのに
片言ロシア語な外国人女性が
お会計する方がおかしいんじゃないかと思いつつも
自分の国なのに何も知らない、
そんな複雑な気持ちのうらしまワーニャの頼み通り
お会計を済ませた私なのでした
でもこれでワーニャも
「当たり前のことを質問する恥ずかしさ」を
わかってくれることでしょう
↓帰国後
質問しまくり
ぜんぜんわかってくれてなかった…
ワーニャ曰く、
外国人は何を質問してもおかしくない!
んだそうです…
考えるより先に誰かに聞くワーニャ
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とりあえず他人より先に隣の私に聞いてくれYO!