『平等』の謎
先日ワーニャが出会った日本人のAさんは
![ハラショーな日々-20090405_01](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/2e/65/j/t02200147_0800053310161682401.jpg?caw=800)
ソビエト時代のモスクワに
何度も訪れたことがある方でした
Aさんはソビエトでたくさんの人に出会ったのだそうです
その職業はみんなバラバラ
![ハラショーな日々-20090405_02](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/fc/35/j/t02200147_0800053310161682410.jpg?caw=800)
政治家、医師、先生、ダンサー、
それから事務職の人もいれば農業の人もいたし、
工場で働く人もいれば道でオレンジを売っている人もいました
Aさんはそんな人々を見て
ずっと不思議に思っていたことがあったのだそうです
![ハラショーな日々-20090405_03](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/ad/87/j/t02200147_0800053310161682414.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_04](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/45/15/j/t02200147_0800053310161682416.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_05](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/d9/b4/j/t02200147_0800053310161682430.jpg?caw=800)
ワーニャはソビエト崩壊後に日本へ留学にきましたが
詳しくは → コチラ
ソビエト時代に国内の大学を卒業し、
大きな病院で科学者として働いていました
しかし、このブログを読んでくださっている方は
よくご存知だと思いますが
ワーニャはまったくもってエリートではありません
普通の家庭で育ち、普通の学校に通った
ごくごく普通のソビエト人でした
ではなぜ、ワーニャは科学者になれたのでしょう?
![ハラショーな日々-20090405_06](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/41/89/j/t02200147_0800053310161682730.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_07](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/8d/5b/j/t02200147_0800053310161682734.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_08](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/37/ac/j/t02200147_0800053310161682738.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_09](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/48/73/j/t02200147_0800053310161682742.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_10](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/71/da/j/t02200147_0800053310161682748.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_11](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/da/14/j/t02200147_0800053310161683048.jpg?caw=800)
![ハラショーな日々-20090405_12](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/8e/ce/j/t02200147_0800053310161683053.jpg?caw=800)
そうです
道でオレンジを売る人も 工場で働く人も
科学者も医師もダンサーも
給料はほとんど変わらなかったのです
学校を出てすぐの初任給はきっちりと決まっていて
どんな職業でも金額は同じ
その後、長い目で見ると
職種によって若干違いが生じたそうですが
違いといってもほんのちょっと
専門知識や技術を必要とする職業に就くためには
大学や専門学校を卒業する必要がありましたが
それぞれの学校には入学試験があり、
卒業までの道のりも決して楽なものではありません
詳しくは → コチラ
しかし苦労して大学へ通ったからといって
給料がいい仕事に就ける、というものではなかったのです
例えばワーニャと友達を比較しても
![ハラショーな日々-20090405_13](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/75/53/j/t02200147_0800053310161683056.jpg?caw=800)
大学へ通うワーニャが手にする給料は
1ヶ月40ルーブル、
大学へ行かずすぐに就職した友達の給料は
1ヶ月110ルーブル 詳しくは → コチラ
そしてワーニャが大学を卒業する5年後、
ワーニャの初任給は130ルーブル
大学卒業者の初任給は職種に関わらず一定だそうです
一方5年間働き続けた友達の給料は160ルーブル
がんばって大学で勉強しようが
そんなことは関係ありません
どんな仕事でもみんな平等
それどころか大学へ進学するほうが
しばらくは給料が安いくらいだったのです
なので義務教育を卒業してすぐ就職した友達は
![ハラショーな日々-20090405_14](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/e8/75/j/t02200147_0800053310161683057.jpg?caw=800)
大学へ通うワーニャを
理解できませんでした
ワーニャが科学者になりたかった理由は
お金や特権ではなく、単になりたかったから
『科学者になれた』のではなく
『科学者になった』だけなのだそうです
しかしワーニャの説明を聞いたAさんは
![ハラショーな日々-20090405_15](https://stat.ameba.jp/user_images/20090405/15/tochka/f3/04/j/t02200147_0800053310161683060.jpg?caw=800)
理屈では理解できても
どうしても納得できません
大学を出ていようが出てなかろうが
医師のように人の命にかかわる仕事だろうがなんだろうが
みんな同じ給料…??
たしかに平等ですが
なんだか平等でないような不思議な感じですよね
ワーニャ曰く「この労働意欲をなくす仕組みが
国が崩壊した理由の一つ」だそうです