『平等』の謎 | ハラショーな日々

『平等』の謎


先日ワーニャが出会った日本人Aさん

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ソビエト時代モスクワ
何度も訪れたことがある方でした


Aさんソビエトたくさんの人に出会ったのだそうです
その職業はみんな
バラバラ

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政治家医師先生ダンサー
それから事務職の人もいれば農業の人もいたし、
工場で働く人もいれば道でオレンジを売っている人もいました

Aさんはそんな人々を見て
ずっと不思議に思っていたことがあったのだそうです

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ワーニャソビエト崩壊後に日本留学にきましたが
                        詳しくは → コチラ
ソビエト時代国内大学卒業し、
大きな病院科学者として働いていました


しかし、このブログを読んでくださっている方は
よくご存知だと思いますが
ワーニャはまったくもってエリートではありません
普通の家庭で育ち、普通の学校に通った
ごくごく普通のソビエト人でした

ではなぜ、ワーニャ科学者になれたのでしょう?















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そうです
道でオレンジを売る人も 工場で働く人
科学者医師ダンサー
給料はほとんど変わらなかったのです

学校を出てすぐの初任給はきっちりと決まっていて
どんな職業でも金額は同じ

その後、長い目で見ると
職種によって若干違いが生じたそうですが
違いといっても
ほんのちょっと

専門知識技術必要とする職業に就くためには
大学専門学校卒業する必要がありましたが
それぞれの学校には入学試験があり、
卒業までの道のりも決して楽なものではありません
                        詳しくは → コチラ

しかし苦労して大学へ通ったからといって
給料がいい仕事に就ける、というものではなかったのです


例えばワーニャ友達比較しても


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大学へ通うワーニャが手にする給料
1ヶ月40ルーブル
大学へ行かずすぐに就職した友達給料
1ヶ月110ルーブル      詳しくは → コチラ

そしてワーニャ大学卒業する5年後
ワーニャ初任給130ルーブル
大学卒業者の初任給は職種に関わらず一定だそうです
一方5年間働き続けた友達給料
160ルーブル

がんばって大学勉強しようが
そんなことは関係ありません
どんな仕事でもみんな平等

それどころか大学進学するほうが 
しばらくは給料安いくらいだったのです

なので義務教育卒業してすぐ就職した友達


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大学へ通うワーニャを
理解できませんでした


ワーニャ科学者になりたかった理由
お金特権ではなく、単になりたかったから

『科学者になれた』のではなく
『科学者になった』だけなのだそうです

しかしワーニャ説明を聞いたAさん


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理屈では理解できても
どうしても納得できません


大学を出ていようが出てなかろうが
医師のように人の命にかかわる仕事だろうがなんだろうが
みんな同じ給料…??

たしかに平等ですが
なんだか平等でないような不思議な感じですよね



          ワーニャ曰く「この労働意欲をなくす仕組みが
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            国が崩壊した理由の一つ」だそうです