前回から間が空いたが、今回はもう少し踏み込んだ証言を記録。それでもまだ一部でしかない。

↑ウェイン・スミス(Wayne Smith)氏

「最初は彼らをバカにする意味で"チャーリー※"と呼んでいました。

しかし、やがてその名は"VC"と変わりました。

ベトナムを去るころには"サー・チャールズ"でしたね」

※チャーリーには、マヌケとかノロマという意味合いがある

↑ルー・ジェームズ(Lou James)氏

「ある軍事作戦のために、まったく知らない道を車で走ったことがあります。

その時、誰かに見られているという気配を、私は直感で感じました。

そこで戻ってから情報部にこう伝えました。"あの道には近づかない方がいい、絶対に見張られている"とね」

↑偵察隊

「翌朝になり偵察隊を送ると、彼らはすぐに敵と遭遇しました。

やがて銃声が聞こえたので無線で連絡すると、助けを呼ぶ声が聞こえました。

そして味方は、あっという間に全滅したのです」

↑見知らぬ道

「まさに一瞬の出来事でした。すぐ現場に駆け付けましたが敵の姿は無く、田んぼに農民がいるだけでした」

↑ケン・ベレズ(Ken Berez)氏

「戦争にはルールなど存在しません。殺すか殺されるか、それだけなのです。

彼らはゲリラ戦を得意としていました。奇襲攻撃を仕掛けては、すぐに身を隠し、決して姿を見せません」

↑ベトコンたち

長い長いベトナム戦争において、最新式の戦車は全く使い物にならなかった。

ただただ敵に居場所を知らせるだけ。

相手を見くびったために情報も生活も調べず、結果としてアメリカ側は大きく傷を負うこととなる。

リンドン・B・ジョンソン大統領は次の選挙に出ないことで責任を取り、わずか数年後に他界。

PTSDという言葉が世界に知れ渡るきっかけともなり、南ベトナムの首都サイゴンは南北統一後に北ベトナムの指導者ホーチミンの名前となったことはアメリカにとって皮肉に感じるかもしれない。

参照：戦場の真実　ベトナム戦争

ベトナム戦争帰還兵の証言2