かんまのブログ

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ADHD関連、日常などを投稿しています。

 

今から半月前の6月29日、袴田事件のシンポジウムが大阪で行われました。

袴田事件の被疑者とされた袴田巌さんのお姉さまである秀子さんが祭壇されるとのことで、最近になってこの事件を知ったかんまは、思い切って参加してみることにしました。

 

 

 

袴田事件とは・経緯 

 

この事件で問題となるのは、殺人及び放火の容疑にかけられた袴田さんが『冤罪』の可能性が高いにもかかわらず死刑判決を受け、48年間もの獄中生活を余儀なくされたという点です。

 

 

 

事件発生から判決まで

袴田事件とは、1966年6月30日未明に静岡県清水市横砂の「こがね味噌」会社で起きた殺人・放火事件です。この事件によって会社の専務一家4人が亡くなりました。

 

 

このとき同社の従業員であった元プロボクサーの袴田巌(はかまた いわお)さんが逮捕されます。約一カ月に及ぶ取り調べを受け、巌さんは警察から「自白」を強迫されました。そのため、12月に行われた静岡地裁第一回の公判で巌さんは「自白は強要されたもの」として犯行を全面否認します。

 

 

 

それから一年後、同事件はまた動き出します。

 

1967年8月31日「こがね味噌」1号タンクから血染めの「5点の衣類」が発見され、検察はこれらに乗っ取るかのように冒頭陳述を【犯行着衣をパジャマから5点の衣類に】変更します。(冒頭陳述の変更は異例です)

 

 

 

 

この「5点の衣類」ついては不可解な点が多く、

第一に袴田さんが履くことのできない小さなサイズであること

第二に一年味噌に浸かった衣類の血痕は黒くなる(発見された服は赤かった)こと

第三に下着とズボンの血痕の位置がずれていること

 

といった検証結果が実際に弁護団から報告されています。

 

 

 

 

それにもかかわらず、

1968年9月11日に静岡地裁で死刑判決。(自供調書45通のうち44通を任意性がないとして排除)

 

 

1976年5月18日に東京高裁(第2審)が控訴棄却、そして1980年11月19日に最高裁が上告棄却し、

同年12月12日死刑が確定します。

※事件発生・拘置所に入れられてから既に14年経過。

 

 

第一審から約40年後の2008年、当時裁判官であった熊本典道さんが『袴田さんは「無罪だ」と主張したが、2対1で死刑に決まった』と告白されています。

 

 

 

 

再審までの闘い

 

それから一年開ける間もなく1981年4月に静岡地裁へ再審請求していますが、

1994年8月9日に再審請求を棄却。同年8月12日に弁護士団が東京高裁へ即時抗告するも、

 

2004年8月、再審請求即時抗告を棄却されます。

※この間で事件発生から約38年、死刑確定から約24年経過。

 

 

 

姉の秀子さんによると、1980年の死刑確定後からだんだんと巌さんの精神状態が悪化し始めました。いわゆる「拘禁反応」というもので、巌さんは幻覚妄想に取りつかれるようになります。(釈放された現在もこの症状は続いています。)

秀子さんは毎月欠かさずに巌さんの面会に行っていたそうですが、巌さんの三年に渡る面会拒否、再審との闘いによる心労により秀子さん自身がアルコール依存症になりかけるなど、想像を絶する経験だったことが伺えます。

 

 

 

さらに2004年9月4日に弁護士団が最高裁に特別抗告しますが、2008年3月24日に最高裁第二小法廷が再審請求特別抗告を棄却

弁護士団も負けじと、同年4月25日に静岡地裁に第二次再審請求を申し立てます。

 

 

 

 

 

 

再審開始決定も…

 

 

 

 

そして、ついに

2014年3月27日に静岡地裁が巌さんの再審開始死刑及び拘置の執行停止を決定します。

同日に巌さんは東京拘置所から釈放。外に出れたのは、実に48年ぶりとなりました。

 

 

この無罪判決前の釈放は異例なことですが、これに対して秀子さんは「裁判長が気を利かせてくれたんだろう、本当にそれだけ」だといいます。

 

 

その後、同年3月31日に静岡地検が東京高裁に即時抗告、

2018年6月11日に東京高裁が静岡地裁の再審開始決定を取り消しするも、2020年に最高裁が東京高裁に差し戻し決定。

 

※差し戻し…上級審が原判決を取り消し、または破棄した場合、事件を原裁判所または第一審裁判所にもどして、もう一度審理させること

 

 

これにより、

2023年3月13日に東京高裁が「2014年の静岡地検の即時抗告を棄却、静岡地裁の再審開始決定を支持」します。そしてついに同年3月20日、東京高検が特別抗告を断念。静岡地裁の再審開始決定が確定されました。

 

 

 

                   

ややこしいので図にしてみました 

右←左へ(時計回りに)読んでください

検察はなんらかの理由があって、再審を相当やりたくないように感じられます…

再審開始決定から確定まで、実に7年の歳月がかかりました。

 

 

 

同年10月27日、第一回再審公判が静岡地裁で開廷。

 

 

この間に行われた15回に渡る再審公判は、巌さんの精神状態上、出廷を免除されたため、袴田秀子さんが補佐人として意見陳述、無罪を主張しました。

 

 

 

そして今年に入って、

2024年5月22日に第15回再審公判が結審。

再審判決は2024年9月26日に下される予定です

 

今回の集会について 

  

 

思いのほか文章が長くなってしまったので、恐れ入りますが次回記事に続きます。

最後まで閲覧ありがとうございました。