いぜん紹介した「企業分析シナリオ」の著者で、早稲田大学ビジネススクール教授でもある西山茂さんの作品です。
著者いわく完成までに2年を要したそうです。
そのかいもあってとても充実した内容になっています。約400ページの大容量。
■推しの理由3つ
アカウンティングとファイナンスを体系的に漏れなく学べます。
項目ごとに企業事例を数多く取り上げてあるので理解が深まりやすく、「他人の芝生はどうやってるの?」という知的好奇心もぞんぶんにくすぐってくれます。
そして、個人的に事業計画のつくり方が本編なかごろに記載されてあり、これがとても参考になりました。
個別単体の知識であればネットでも調べることができますが、この本では企業同士の比較から事象ごと(たとえばM&Aなど)の実際の財務状況まで載せてくれています。
一つひとつの企業を調べて比較検討するのはとても手間のかかる作業です。
またM&Aを行う際に、BSのどの項目にどう影響をあたえてくるのか、どう買収企業を評価(ドューデリジェンス)するなども事例をつかって説明しれくています。
ネットも活用しつつ、体系的に学べるこういった本を利用するのもまだまだ価値があると私は思っています。
■アカウンティング(会計)とファイナンス(財務)の違いって何?
アカウンティングは企業の過去と現在を対象とし、ファイナンスは未来を対象とするものと理解しておおむね間違いないと思います。
ただいずれも企業価値をいかに高め、結果として投資家の評価を高めることを目的にしたものであることは共通しています。
したがってアカウンティングとファイナンスの知識は企業でつとめる人だけでなく投資家をもカバーする大事な要素となります。
帯には「必読」「常識」「早いうちに身につけたい」といった文言が目立ちますが、個人的には鬼気迫った感じではなくゆったりとした気持ちで学ばれてみては?と思います。
2019年8月1日初版
東洋経済新報社
