生活維持向上倶楽部「扉」≪OPEN the Door≫

生活維持向上倶楽部「扉」≪OPEN the Door≫

横浜市泉区にある地域密着型通所介護事業所です。
住み慣れた街・家で一分一秒でも長く、大切な方々と暮らし続けられるように「生活の営み」に関わらさせていただいています。
「扉」とは「戸に非ず」と書くように、目の前の「扉」を開いて行くために、日々歩んでいます!

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記録をしていると、以前ご利用されていたメンバーさんの娘さんからお電話がありました。

時折、亡くなられたりすると連絡を下さるご家族がおられ、「もしかして?」と一瞬思いましたが、よくよくお話を伺うと違う内容でした。

「数か月前に骨折して、老健やショートステイ等を利用していたけど、なんとか自宅に帰ってきています。けど、寝たきりの状況なんです。いつもはあまり話さないのに、今日は、一生懸命散歩に行きたいと言っています。行かないとだめになると、言っていてどうしても連れて行ってあげたい。でも、私達(娘さんと奥さん)は腰が悪くて車いすへの移乗ができないんです。利用している事業所(小規模多機能)には連絡したけど、人数が少なくて行けないと言われ、あちこちつてを連絡しているけど、急すぎて対応してもらえず、「扉」さんがどこか知っていないかと思って、、、利用しなくなってしばらくなるのに申し訳ないとは思ったんですが、、、自費でも良いので、、、」...
もう少しお話を伺うと、もう先が長くないと病院から言われているとの事でした。

お電話の声はとても切羽詰まった状況でした。
ご自宅が近く、時折お会いする事のあったメンバーさんとそのご家族。やめられても「扉」に行くんだろ?って仰っておられたそうです。

当事業所は訪問もありますが、全員出払っている状況。
一旦切らせて頂き、私は行く方向で考えておりましたが、一人での決断では行けないため、他のパートナーと相談。パートナーは賛成してくれ、人員配置にも問題がなかった為、訪問することとしました。

伺うと、しっかりと目を開けられており、しばらくお話をされていなかったとは思えない程、明確な言葉でお話をされていました。車いすに移乗し、段差・階段昇降後によく散歩に行かれていた公園に。
故郷を思い出された様で、ご家族に一生懸命話し掛けておられました。

帰宅後に臥床して頂いて、戻ってきましたが、その後が気になり連絡してみますと、「満足したようで良く眠っています」との事でした。

契約をしてない中での関りをいろいろと問題視される事もあるかもしれません。しかし、地域包括の観点で考えると、地域で支え合う意識の方が大切なのではないかと感じています。介護保険制度の方向性・そして包括的な方向性を改めて考えた一日でした。

思いがけず長文となってしまいましたが、読んで頂きましてありがとうございます。

※写真は以前、高尾山に登った時のものです。みんなで同じ方向に向かう事ができれば良いなぁと思い、選びました。
(相談員 川辺)