3月28日
土曜日

自転車屋の生き物歳時記

オオキンカメムシ

今朝
黒と赤の派手で
鮮やかな昆虫を見つけた。

イタドリハムシが
こんな色やったけど
イタドリハムシではないな?

調べてみると
オオキンカメムシだった。

オオキンカメムシは、
鮮やかな赤い体色の
キンカメムシである。

かつてはアブラギリの
害虫として知られた。

また
集団越冬することでも知られる。

体長は20-25mm。

背面は丸く盛り上がり、
腹面はほぼ平らである。

背面は全体に鮮やかな赤で、
表面につやが強くて、
虹色に輝く。

背面には赤の地に
黒の大きな斑紋が並ぶ。

これには変異が大きい。

日本産のものは
全胸後端から小楯板前端に一つ、小楯板後端に一つ、
それらの間に
二つの黒い横斑がはいる型が
普通であるが、
より斑紋の少ないものや
小さいものもある。

腹面は全体に黒く、
虹色の輝きが乗る。

触角と歩脚も黒い。

頭部は三角に尖り、
背面が黒、側面が赤い。

前胸は頭部に続いて
後方へ広まり、
併せて三角になり、
後端はやや左右に突き出す。

それ以降の胴部の背面は
すべて小楯板に覆われる。

幼虫は齢によって異なるが、
おおむね丸っこい形をしており、やはり背面が丸く盛り上がる。

頭部と胸部、
腹部の背面のキチン板が
金属光沢のある黒っぽい色で、
それ以外の腹部は赤っぽい。

成虫も若虫も
アブラギリの果実から汁を吸う。

近縁のシナアブラギリでは
発育できない。

他にツバキ、ハゼなどが
寄主植物として
あげられたことがあるが、
いずれも
幼虫の発育には適さない。

長谷川(1987)は、
アブラギリ以外の宿主として
センダンとクチナシが
想定されるともしている。

成虫は6月ころから
交尾と産卵を行う。

卵は100-140個を
単層に並べた卵塊の形で
生み付けられる。

幼虫は果実の汁を吸って成長し、五齢が終齢である。

新しい成虫は
7月-8月頃に現れる。

越冬は成虫で行う。

冬に南部地域に集まり、
たとえば四国では
室戸岬、足摺岬がよく知られる。

海岸林の
日当たりのよいところの、
ツバキ、ミカン、トベラなどの
常緑樹の枝先、葉裏、
あるいは樹幹に集まる。

毎年集まる場所が決まっており、12月後半から集まりはじめ、
4月ころより分散して移動する。

本種は
本州中部以南では通年見られ、
これ以南が分布域と考えられる。

ところが採集記録には
北海道があり、
本州北部や中部山岳の高所からも採集記録がある。

長谷川(1987)によると
それらは7月から8月に
集中しており、
また雌が圧倒的に多い。

また彼が解剖した例では、
すべて腹には卵が詰まっていた。

このようなことから彼は
交尾後の雌が活発に
移動するものと考えている。

これらはいわゆる無効分散
となることが多いであろう。

北海道の例は、
台風に乗って移動したことが
推定されている。

海上で発見された例もあり、
かなりの長距離移動を
することが考えられる。

上記のように
日本では本州中部以南が
定着している分布域である。

長谷川(1987)は
その範囲を
「静岡県と石川県を結ぶ線
から南西」としている。

いずれも海岸近くに多い。

国外では
台湾から東南アジア一帯に
分布する。

アブラギリの害虫
として知られる。

江戸時代の虫譜に
この虫について
「アブラギリを食べるから
毒を持っている」
旨の記述があると言うから、
よく知られていたことがわかる。

果実が攻撃を受け、
その場合、果実は褐色になって
落果しやすくなる。

ただし
現在ではこの植物そのものが
栽培されなくなった。

この他に、
ミカン類の若い果実からも
汁を吸う例が知られ、
その意味では現在も
農業害虫であるが、

その重要性は低い。


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