先日胆嚢疾患のセミナーに行ってきました
最近胆嚢疾患の病気が多いような気がします
今年に入って当院でも胆嚢破裂2件、胆嚢閉塞2件ほど緊急手術を行っております
毎年、1年に1件ほどの手術なんですが・・・
胆嚢破裂・胆嚢閉塞は緊急性のある病気で放っておくと死んでしまいます
定期的に健康診断をしている子は、兆候が発見されることが多いので、破裂・閉塞が起きないように食事療法・サプリメント・内服などでケアをできることも多いです
また閉塞したときの対応もあらかじめお伝えできるので早期発見・早期手術が行えます
発見が遅ければ遅いほど状態が悪くなり、命の危険性がましていきます
胆嚢閉塞を起こしてから手術をするより、閉塞する前に手術をしたほうが命の危険性が少ないです
なので胆嚢閉塞を起こしそうな無症状の子に胆嚢摘出術を積極的にしたほうがいいという考えもあります
ただ胆嚢摘出をした場合に肝酵素の上昇が起きる事が多いと最近になってわかってきました
私の持論は「体の中に無駄な臓器はない」と思っています
胆嚢はなくても大丈夫ではなく、やはりなくてはいけないのだと思います
今回参加したセミナーでも胆嚢は必要な臓器だという考えでした
できるだけ臓器を温存する方向で考え、温存が難しいときにのみ摘出が一番ではないでしょうか
なので胆嚢粘液嚢腫⇒予防的摘出ではなく、胆嚢粘液嚢腫⇒食事・内服・サプリメントで維持⇒胆嚢閉塞⇒即手術が一番だと思います
ただ胆嚢粘液嚢腫などは高率で胆嚢閉塞を起こします。命の危険性が少しでも及ばないうちに予防的摘出も選択肢の一つです
なので最終的にはメリット・デメリットを正確にお話しした上で、オーナー様に決めていただくのが一番だと思います