大和以外で2号店なんて、
お前にゃ無理だよ。
上手く行くわけねぇだろ。共倒れが関の山だ。


周りの90%の人が口を揃えて2号店は大和にと皆言った。

言われれば言われる程、
大和以外に出したくなった。
下らない意地が発動したようだ。

三ツ境出店は諦めたが、その頃からもう兎に角何処かで2号店を出そうという気持ちに変わりつつあった。半月前まで店舗拡大など微塵も考えていなかったのに

確かに大和に出せば、店でトラブルがあった時にすぐに駆け付ける事も出来る。

今TOBARIのある所とは別の少し離れた場所に出店すれば更なる新規獲得に繋がり、両店舗潤うかもしれない。


私も当初は大和も候補に入れていた。


何故ならば、私が身をもって嫌と言うほど体感しているからだ。
スナックはただ新規オープンするだけでは、お客様が全く入って来ないと言うことを!!ゲローゲローゲローゲロー


例えば近所でラーメン屋だとか、イタリアンのお店が新規オープンしたとするお祝い



物珍しさで立ち止まり店先のメニューを見る。
リーズナブルだ流れ星
とりあえず中を覗いてみる目
店員さんの活気のある声や雰囲気、鼻腔を擽る良い匂いに連れられてちょっと入ってみようかとなるニコニコ


ところがこの流れがスナックには無いのだ

風営法の関係上、外部から店内が完全に見えないように窓はシートでシャットアウトしなければならない
カラオケもするので基本は防音だ。

値段も不透明な店や、ぼったくりスナックも未だに蔓延っているチーン


よって誰かの紹介で行くか、街の口コミを聞き付けて行く以外は殆どの方は素通り。

一見で見ず知らずの店に飛び込むのは余程の通か、変り者だ。

TOBARIをオープンした時もそうだった。

それまでの10年間、周囲のキャバクラ嬢達がラグジュアリーな宝石や洋服、ブランドバッグに身を包んでいたころ、私はバーゲンセールの洋服を着て、大和でせっせとお金と人脈を溜め込んで来た。

そしてスポンサーも付けず、満を持してオープンさせたのがTOBARIだ。
やるだけの事はやった。
これで失敗したらまた人生一からやり直そう。

だが、その10年間の努力が実り、沢山のお客様が連日TOBARIに駆けつけて来てくれたランニングランニングランニング
オープン初月から万々歳の黒字だキラキラ

不安と安堵が入り混ざり嬉しくて嬉しくてボロボロに泣いたのを昨日の事のように覚えている………

と!こ!ろ!が!だ!ゲロー


最初の1、2年で一見で入って来たのはごく僅か。
言うなれば呑んでいるお客様全員が
私の知人なのである。

知人以外の方で来たのは下手すれば一ヶ月に1組。
誰も来ない月もあった。

ゾッとした。

これ、大和以外で出店してたら完全にアウトでしたや~ん!

こんなにも一見さんって入って来ないものなのか!!!?もう少し、せめてもう少しは入るもんだと思っていた滝汗

もう見事に丸っきり
望月の欠けたることもなしという程まん丸丸っきり入って来ないのである!!!

ようやく様々な顔触れの方がTOBARIのドアを開けるようになったのはオープンして2年目以降。


私を昔から支えてきてくださった大和のお客様に心から感謝すると同時に、出店場所を見謝ると命取りなるという事にも気付かされた。



そして今私はその命取りになるかもしれない駆引きをしようとしているニヒヒニヒヒニヒヒニヒヒ


お前には無理だ
悪いこと言わないから辞めとけ
お前にそんな器量ねぇよ。
大和以外無理だ。
お前のいないTOBARIは終わる……





みんな
頼むからこんな事言わないで笑い泣き

でもみんながそんな事ばっかり言うもんだから


私の導火線に火がついちゃったじゃないの!!炎爆弾


言われれば言われるほど血が煮えたぎり
逆の事がしたくなる


もうそろそろ爆発寸前よちゅー