『夏の抜け殻』
Photogragh by Miss No-Berlin
朝の仕事道。 第1弾 !!
ふと、森の階段を上がってくると、目にコイツが飛び込んで来た。
いや、正確に言うと、コイツはいない。
いるのは、というか、あるのは、抜け殻だ。
それでも、コイツがどんな形だったのかは、鮮明に記録されている。
そして数年、地面の下で生活して、地上に出て来たら、
この暑さ、この湿気、この大雨。
せっかくぅ、と文句を言いたくならないのかなぁ。
やっぱり、暗い土の中よりも、地上の空気は美味しいんだ、と思う。
精一杯、生きてほしいなぁ。
そう言えば、蝉は、新型コロナウィルス、関係ないのかな?
出て来て、感染したら本当に嫌になっちまうだろう。
絶対、俺の人生って何?ってなるよな。
コイツには、どこかで生きていて欲しいな、
ちょっとだけだけど、コイツの人生に触れられた者としては...。