ジャジャジャジャーーーーーーン!!!!!!!
PRINCE
プリンスの1987年の名盤『SIGN ‶O" THE TIMES』と、
フリートウッド・マックの『牙/TUSK』(1979年リリース)との関連性を考える、だす。
『SIGN ‶O" THE TIMES』 『牙/TUSK』
まずは、プリンスの名盤『SIGN ‶O" THE TIMES』の完成までの経緯が非常に面白いだす。
1986年の来日公演の後、アルバム『PARADE』に次ぐアルバム制作を始めるだす。
当初は自身のバンド、ザ・レボリューションとの『DREAM FACTORY』を作っていたのだが、
バンドの煩わしさや恋人スザンナ・メルヴォイン(ウェンディの妹)との決別、
録音機器の進化等の、様々な理由からザ・レボリューションを解散させてしまう、だす。
Prince And The Revolution Susannah Melvoin
シーラE.の3rdアルバム『SHEILA E.』と、
覆面ジャズ・バンド、マッドハウス『6』を制作しながら、
架空女性カミール(プリンスの変名)のアルバム『CAMILLE』も同時進行で進めていた、だす。
『SHEILA E.』 『6』
『CAMILLE』 - BOOTLEG 『DREAM FACTORY』 - BOOTLEG
『CRYSTAL BALL』 (1998)
オリジナル3枚組とは別内容の1994年曲等をを含むアウトテイクス集。
先述の『DREAM FACTORY』の空中分解により、
新たに『CAMILLE』音源を含めた3枚組アルバム『CRYSTAL BALL』を画策するが、
レコード会社からのクレームにより、2枚組アルバムにしろ!と言われるのである、だす。
この辺からレコード会社との確執が大きくなってくるのだが、
そして、例の‶マーク"問題に発展するのだが、それはまだ後の話だす。
プリンスは収録曲に悩まされるのだす。 『DREAM FACTORY』制作中には幾つかの段階によるヴァージョンが作られ、
その度に収録曲や曲順の変更があったようだす。
巷では2ヴァージョンと言われているが、
ブートレグでは3ヴァージョンあるとも言われている、だす。
そこで、わたしゃ、は考えるのですが、
プリンスはフリートウッド・マックのコンサートを観に行ったり、、
歌姫スティーヴィー・ニックスとデートしたり(1982頃)、
お礼に「Stand Back」を書いたりしたので、
当然、アルバム『牙/TUSK』は聴いていたハズ、同じレコード会社だしね、だす。
FLEETWOOD MAC
この完成した『SIGN ‶O" THE TIMES』と『牙/TUSK』を聴き比べると、
非常に曲の流れが似ているのに気づきます、だす。
まず、CDも発売されていた時代に、
あくまでもレコードの面を想定しているのが面白いだす。
収録時間は約80分なので、CDなら1枚で充分なハズだが、
2枚組にしたのも、『牙/TUSK』がレコード2枚組だったのを拘ったからだろう、だす。
まず、A面。
オープニングは意表を突いて、ミディアムな淡々とした曲からスタートだす。
続いて、ビートニックなアップ・テンポ、
お得意の曲(ポップまたはダンス・ナンバー)と続いて、
最後は独自のサウンド曲、マックはメルヘン調の「Sara」、
プリンスは、ジャジーな単独録音の「ドロシー・パーカーのバラッド」でしめる、
といった具合だす。
B面は、ドラム・イントロがパーカッシヴでメロディが希薄な「何が貴女を」と「It」だす。
そこへバラードが続き、またお得意の曲へ、だす。
そして、らしい曲でしめるといった構成は、かなり近いんじゃないかな、だす。
C面に入るとポップで売れそうな曲で始まり、
民族風な曲「茶色の瞳」と「STRANGE RELATIONSHIP」が並び、
おしまいの「I Know I'm Not Wrong」と、
「I Could Never Take The Place Of Your Man」に至っては、時間の長さこそ随分と違うが、
ギターのフレーズがクリソツなポップ・ロックなのである、だす。
D面では、これまでの作風とは変わった民族風な曲で入り、
ライヴで盛り上げ、バラードで大団円を迎える、といった構図だす。
そうそう、「Tusk」と「It's Gonna Be A Beautiful Night」はライヴであり、
両方ともライヴ録音後、スタジオで編集加工された曲なのだす。
このわたしゃ、の考えに確信が持てるのは、
実はこのライヴ録音曲の存在と流れが大きいだす。
何より、「It's Gonna Be A Beautiful Night」は、
『DREAM FACTORY』の最終段階音源にも、
『CRYSTAL BALL』のブートレグにも収録されていないから、だす。
かなりの土壇場で収録を決めたと思われるが、
編集程度なら半日もあれば、可能だす。
なぜなら、プリンスは450万枚売った「ビートに抱かれて」を、
たった1人だけで1日で作りあげたから、だす。
多種多様な曲を聴かせた後、盛り上げるにはどうしたらいいか?という問題に、
この「Tusk」の入れ方は、参考になったのだと思うだす。
それはアルバム『牙/TUSK』をプロデュースした、
リンジー・バッキンガム(フリートウッド・マックのギター)も同様だったに違いない、だす。
三者三様のヒット・ソング・ライティングを誇るフリートウッド・マックの、
多種多様な曲をまとめ上げ、最後を盛り上げるには...と苦しんだハズだす。
何故なら、アルバム『牙/TUSK』は、
空前絶後のヒット・アルバム『噂』の後の作品なのだす。
アルバム・リリースは遅れに遅れて、2年以上も費やしていたのですから、だす。
アルバム用のフォト・セッションより。
だからこそプリンスはアルバム『牙/TUSK』を参考に、『SIGN ‶O" THE TIMES』を仕上げた、と、わたしゃ、は言いたいだす。
これを読んで頂いて、今一度、両盤を聴いてみましょう、だす。
わたしゃ、が、言いたいのは、真似た、とか、真似ていないとかでなく、
名作と言われる両盤は苦難の末に生まれた、という事を伝えたいのだす。
そうそう、両盤は共にレコード2枚組なのにシングル・ジャケットに中袋、という体裁と、
アルバム・リリース後にドキュメンタリー映画(マックはビデオ)を、
制作しているのも一緒でした、だす。
ここまで偶然はないでしょ、やっぱりだす。
どうでしょう、この考察は?
多々ある音楽雑誌で、当時は誰も取り上げなかったので、自分で書いてみました、だす。
プリンスは勿論、大好きだけれども、
これで、日本では今ひとつな人気のフリートウッド・マックの株も、
ちょっとは上がったかな、チャン、チャン、だす。