今年は新しく伸びる枝(蔓?)が全部花芽だったので

そのままほおって置きました。

次々と房が伸びてきて

豪華に花をつけました。

あまり手入れをしない方が

花付きが良いみたいです !!

外からはこんな感じなのですが、

部屋の窓からは素晴らしいお花見ができます。

日本と違って、外に座るには寒すぎます。

私がまだ実家にいたころ、

祖母が

「田楽を食べに行こうか。」

と誘ってきたことがありました。

「公園の藤棚は今頃一番きれいだから、お店も出ているだろうし。」

私は車の免許を取ったばかりで

早速、祖母が中古のカローラを買ってくれました。

なので、祖母を乗せて公園に行きました。

公園は城跡にあって登っていくと

見事な藤棚があり太い藤の木からはたくさんの藤が咲いていました。

しかしながら、お店は探さないとなくて、ひっそりとしていました。

祖母は予想していたのと違って

ちょっとがっかりしていたように思います。

それでもお店を探して田楽を食べました。

お豆腐の上にお味噌がのせてある簡単な食べ物でした。

今思うと、祖母はこの田楽を食べたころの自分の昔を

懐かしんでいたのかもしれません。

夜桜ではなく、夜藤。

それ以外にも、

小学生の頃、近所の山の中で

(子供の頃、私はワイルドだった!)

綺麗な藤の花がたくさん咲いた枝を取ってきたのを

祖父に見せました。

そうしたら、どこからか祖父が水盤を持ち出してきて

見事に藤を活けてくれました。

長々と何かしら説明をしてくれましたが、

その時は子供だったので全く意味が分かりませんでした。

今思うと、こんなに曲がりくねった枝を

どうやって生け花の形にしたのかしら?!

と不思議です。

母が亡くなる前は、

実家に帰る度に物置などの掃除をしていたのですが、

その時、分厚い78回転(!)レコードなどの古いものと一緒に

こういう、古い木の板に書いたものを見つけました。

これってもしかして昔のお花のお免状?!

裏側には祖父の名前が書いてありました。

無造作に置いてあって

角が擦れて、表面は汚れていました。

きれいに拭いてから、入っていた箱に返しました。

箱のふたを閉めようとした時、

この木札が、私に

「一緒に持って行ってよ!」

と言っている気がして

私はカバンに入れて持ってきました。

以来、私が庭で掃除をしていると

祖父が実家の庭でハサミを入れていたことを

よく思い出すし、

私が庭でハサミを持っていると、

「その枝、切ったほうが良いよ」

とか言って、私の側にいるような気がしています。

私が小さい頃は、庭仕事をしている祖父とよく遊んでいました。

明治生まれだったから、祖父の時代は

戦争に負けたことや、それに伴い社会が大きく変わった時代を生きてきて

大変な人生だったのじゃないかと今は想像できます。

その時、私は小さかったので、

書道を教えてもらったり、

庭仕事や、盆栽を作る話を一生懸命していたことしか覚えていないけれど

もう、そういう楽しかった話だけしかしたくなかったのかもしれません。

藤の花を見るといつもこの思い出がよみがえってきます。

城跡の藤にはかなわないけど

こうして花を咲かせてくれてとても嬉しいです。

天国のどこかからこの藤を見て

喜んでくれていると良いなぁと思います。

今年は藤の花が満開 !