ー捜査3日目を迎えた土曜日ー
捜査員達は学園都市の端のほうの学区。農業学習のため割と自然が豊かな地に赴いていた。だが、なかなか見つからなかった。
上条「すっかり暗くなったな。今何時だ?」
土御門「17:50分だにゃー。」
学生「いやー、今日の花火楽しみだなぁ。」
御坂「えっ?花火?1月に?」
上条「どうやら、マジみたいだぞ?このチラシによるとあの丘で18:00から打ち上げるらしいな。」
上条が指差した丘はまるで鳥のくちばしの様に突き出た崖がある丘だった。
ヒューパン!
土御門「おっ、花火始まったみたいだにゃー。捜索は打ち切りにしよ──」
御坂「おかしくない?」
白井「なにがですの?お姉様。」
御坂「だって、学園都市の大型花火って全部電気で動く機会で打ち上げられてるのよね。」
白井「ええ。」
御坂「でも、とてもあの丘で電気を供給できるとは思えない。となると、火で打ち上げる花火ってことになるわね。でも、ライターなんかじゃあの花火は打ち上げられない。つまり。」
絹旗「火系統の能力者が超打ち上げている。それもレベル4以上の。」
上条「ってことはまさか!」
土御門「ああ、高畠の可能性が高いぜよ。」
一同は丘の頂上目指して駆け出した。
ー丘の上ー
高畠は忍者装束で例のくちばしの崖の先に立っていた。
高畠(この花火を観ている人はこの花火を綺麗に見ているのだろうか…。俺は人と関わると相手を傷付けちまうからな…。せめて皆がこの花火が綺麗だと思ってくれればそれでいい。)
高畠「さて───」
白井「望さん!」
なんとも残酷だった。振り返った高畠の目は無機質だった。
上条「お前!そんな崖の先でなにしてる!?戻ってこい!」
御坂「早く!」
高畠「…。」
高畠表情はピクリとも動かない。
そしてポツリポツリと話し始めた。
その無機質な瞳を向けて。
高畠「白井さん。ごめんな。」
一同「白井、さん?」
白井「く、黒子って呼んでくれませんの?」
高畠「俺は白井さんを傷つけた。もう俺には名前で呼ぶ資格もない。」
高畠「ごめんな、俺が家族になろうなんて、おこがましいことだったんだ。もともとそんなのは許されたことじゃなかったんだよ。」
高畠「もう、俺には白井さんに支えてもらえる資格も、家族でいる資格もない。」
白井「い、今そちらにいきますから!」
高畠「ありがとう、そして、さよなら────」
白井が走り出したのと同時に高畠は背中に掛けていた大太刀で自らの足場を切り落とした。
一同「!!!」
白井「望さーん!!!」
だが、高畠は完全に忘れていたのだ、白井黒子。彼女がテレポートの使い手だということを。
ーとある病院ー
高畠はなんとか白井の手によって助けられた。傷はなかったのだが、意識が回復しないのだ。
カエル顔の医師「そうか、そんなことがねぇ…。」
一同「…。」
カエル顔の医師「ま、怪我はしてないし、明日には意識も戻ると思うから、あした来なさい。」
白井「わかりました。」
その日は皆病院を後にした。
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