テニスの国アメリカ、コートの違いを語ります。
皆さんこんにちは。益々暖かくなってきましたね。スポーツシーズン到来という感じですが、まだまだ海外に気軽に行ける状況では無いのが現状です。私のジュニア時代テニスと言えばアメリカテニスで多くのスーパースターがアメリカから出てきて、テニスの技術向上にもアメリカへテニス留学をするのがブーム、という時代でした。今はスペインを始めヨーロッパでも素晴らしいアカデミーが沢山あります。今回はそんなアメリカ東海岸へ数年前に私どもの取締役でロンドンオリンピック監督、現在はWOWOWの解説者として活躍してます村上 武資プロとアメリカへ市場調査に言った時の話です。あれはちょうど今頃の時期で、ATPツアーマスターズ1000のマイアミオープンが開催されてる頃でした。元々私も学生の頃アメリカへテニス留学をしていたのですが、西海岸を中心に回っていたため東海岸のフロリダには余り行った事が無かったので、現地に詳しい村上プロのナビでいきました。その一番の目的は世界でもトップのスポーツ施設IMGアカデミーの視察とフロリダでのテニス環境を見ることです。 まず日本よりマイアミに到着しマイアミオープンを観戦、色々な選手に挨拶をしてまわり、レンタカーを借りてIMGアカデミーのあるプレデントンに約4時間くらいだったでしょうか。村上プロと道中もテニスの話をしながら、行った記憶があります。そして翌日、錦織選手のはからいでIMGアカデミーを訪問する事になります。先ずはカートに乗って施設の紹介をしていただきました。テニスコートはもちろん素晴らしい物でした。それ以外も陸上の練習場、サッカー場、ゴルフの練習場やコースと膨大な土地の中に素晴らしい施設が至る所に配置され、宿泊施設・ドミトリーなどの生活環境も、世界一の施設として申し分ない環境に感動したのを今も鮮明に記憶に残っています。テニスコートに戻り、色々なタイプのレッスンを見学させてもらいました。数多くの種類のショットを最新の指導方法で見ることができました。日本の環境・指導方法との違いを多く感じました。その後トレーニング施設を見せてもらい、フィジカルトレーニングの重要性をしっかりレクチャーして頂きましたが日本には中々この規模の施設が少ないので色々な工夫の必要性を感じました。ちょうどその日は錦織選手も練習とCMの撮影をされていたのを覚えてます。そして事件があったのがその後です。(私にとってですが)ランチを食べに行こうと言う事になり錦織選手の案内でレストランに行きました。そんなに大きくないサンドイッチやホットドッグを食べれるレストランでしたが、そこにあのニックボレテリーさんが!!食事をしながら打ち合わせをされていました。自分の中で超レジェンド的な存在だった為にエッ~!!と言う感覚で、錦織選手に紹介して頂きニックさんと少しお近づきになることが出来、自己紹介と写真の撮影をして頂きました。その時の写真です。少しの時間でしたがテニスの話が聞けて、とてもよかった思い出があります。最初に話したように私たちの選手時代は、ニックボレテリーキャンプやハリーホップマン、バンダミヤーさん達のキャンプでレッスンをしてもらうことが一つのステイタスで有りブームでも有りました。なんせアメリカンテニス全盛です。そんな思いの中でのご対面で感動しましたのは言うまでも有りません。もちろん錦織選手と会った事もでしたが、何とも言葉にできない感動をしたことを思い出されます。そんな中、ひとしきりお話をした後にニックさんはお帰りになられたのですが、何とランチ代を払って頂いたらしく精算は終わっていて、ランチをご馳走になってしまっていたのです。なんと紳士な方でしょう。そんな事件でしたそんなこんな経験を経て、今はトアルソンアカデミーを通じて神戸から世界を目指す子供たちを少しでも支援出来ればとやっています。その精神はこれからも継続し、協力をしていきたいと思っています。本題の一つの日本とアメリカとの大きな違い一番の問題点は・・・レッスンのやり方トレーニングの仕方だけでは無く私はコートサーフェースや、施設の違いに大きく影響を感じてなりません。現在日本は砂入り人工芝という日本特有のコートを多く使用しています。多くのジュニアの大会もそのコートを中心に開催されるため砂入り人工芝のコートでの練習が中心になっている選手、ジュニアがほとんどです。しかし世界やアメリカにはこのようなコートはほぼ無く公式の大会が開催される事もまず無いと思います。日本の気候は四季があり梅雨も有ります。また限られた日程で大会のスケジュールをこなさないといけない協会、団体の事情も理解はできます。もちろん趣味でテニスを楽しまれる方にとってなんの問題も無い事かもしれません。あくまで世界を目指したり、海外でテニスを頑張りたい子供達にとって少しの出遅れになる可能性があるという事が非常に気になります。現在のテニスはスピード、パワー+強力な回転を必要とするレベルが不可欠です。打っても打ってもエースにならないポイントが取りにくいサーフェースでは結局ミスをしないタイプの選手が成績を出していく確率が高いのが現状です。練習方法、ボールのスピードの出し方、フットワークの技術、色々なところで世界基準との差を感じます。またボールのすり減り方や飛び方も時間と共に大きく変わってきます。何より今活躍している錦織プロ、西岡プロ、ダニエルプロ、内山プロなどのグランドスラムで活躍している日本のプロはほぼ若い時からアメリカや海外を中心に練習拠点を作ってきた選手が中心です。道具ははかなりのスピードで進化してます。軽くて振りやすいがしっかりしたボールを打てるラケット、スイングスピードが速くてもコントロールとパワーがブレないストリング。後は本当にテニスコートの環境が変わっていけば、もっと世界(グランドスラムで優勝)に近づける選手が日本からどんどん出てくる事は間違いないと思います。トーナメント数やシステム、学校の体制など海外とは違う事は色々あると思います。でもせめて試合をする条件は同じにしてあげたいですね。柔道の試合、練習を海外はフローリングでして畳は無いからでは強くはならなかったと思います。そして夢を見れる選手が多く出てくるのを期待してサポート、恩返しをしていきたいと思います。偉そうに書きましたが私の個人的で率直な気持ちと、経験や情報を元に今回書かせていただきました。ちなみに私はアンツーカーと言うサーフェースでテニスをおぼえました高温焼成したレンガなどの土を粉砕してつくられる赤褐色の土、あるいはそれで覆われたサーフェス