『障害と偏見のない未来を創る』というビジョンのもと、障がい者の直接雇用に取り組んでいました。これは単なる仕事の提供を超えた、深い社会貢献の試みです。
私の会社に加わったのは、精神疾患と知的障害を持つ40代の男性。独身で一人暮らし、頼りにしていた家族は既に他界し、東京にいる兄一人だけが彼の唯一の肉親でした。彼はひきこもり状態で、生活にも支障が出ていましたが、私たちは彼に仕事の機会を提供することに決めました。
初めは彼とのコミュニケーションに苦労しました。指示が伝わらないこともあり、出勤日と時間の理解も難しいようでした。しかし、就労支援の担当者と共に様々な取り組みを行ううちに、彼は驚くほど成長しました。無表情だった彼の顔に笑顔が増え、とうもろこしの種まきにおいては、彼のコツコツとした作業が驚異的な成果を生みました。通常80%発芽が良い結果とされる中、彼の手による種まきは99%の発芽率を達成しました。彼の細やかな注意と一貫性が、私たちにとって大きな学びとなりました。
しかし、彼の突然の訃報は私たちに大きな衝撃を与えました。彼は自然死で亡くなっていました。彼の死は、障がい者という社会の一員として彼らが直面する多くの挑戦を私たちに思い知らせました。私たちは、彼が残した「奇跡のとうもろこし」を見るたびに、彼の存在の大きさを感じます。
彼の死を経て、私は障がい者雇用への取り組みをより一層強化する決意をしました。彼の生活状況、特に食生活の重要性を知ったことは、私たちにとって大きな教訓です。一人の人間として、また一人の働く人として、彼らが持つ可能性を最大限に引き出すために、私のこれからも努力を続けます。
私の経験は、障がい者の方々が持つ無限の可能性と、彼らを支える社会の役割の大切さを物語っています。障害を持つ人々と共に歩む旅は続きます。この旅から学んだこと、感じたことを共有し、より良い未来へと進んでいきたいと思います。
次回はなんで美味しい野菜を作りたかったのかについて話します。