今回は、レンズの話です。
Nikon D3にAi Nikkor 43-86mm f=3.5を装着してみました。 この43-86mmは、1963年の登場でした。
無理の無い2倍ズームレンズですが、初期タイプはタル型収差や、糸巻型収差が目立つようです。
写真のレンズは最終タイプで、このレンズはAi-s化されませんでした。
それでは肝心な描写を見てみましょう。
43mmで撮影してみました。 周辺光量低下が見られます。 歪は良く修正されている方だと言えそうです。
43mmでもDXフォーマットなら周辺光量低下も気にならない程度になりそうです。
86mmで撮影してみました。 この画角では、周辺光量低下も目立たなくなります
この当時のレンズは暗さからピント合せが難しくなるので、望遠側(86mm)でピントを合わせた後で、広角側にズームリングを移動させた方がピントの精度が上がります。
最新のカメラとレンズでは、どのズーム域でもピントが合うのが当たり前で、最近では入門書でも取り上げていません。
最新のレンズは、諸収差についてもコンピューターの発達のお陰で完璧なまでに修正が施されていて、単焦点レンズに劣らない描写のズームレンズが多くなっています。
古いズームレンズの楽しみ方として、タル型収差や、糸巻型収差、周辺光量低下、色収差などの違いを楽しむのも一つの楽しみ方です。
作品作りをするプロカメラマンには不向きなレンズだと言えるのかも知れません。