3月28日の日経新聞に「脳腫瘍 治療の今 摘出と機能維持へ総力」と題して、「日経実力病院調査」結果が出ていました。


りんりんの腫瘍は生命維持の中枢神経が集中する脳幹という場所にあったため、手術はできませんでした。

放射線治療と化学療法のみの治療でしたが、あれから約2年が経とうとしている今、新しい治療法が開発されていないか気になり、北大の澤村先生のホームページを久しぶりに拝見しました。


澤村先生には二度ほどEメールで質問させていただき、お忙しいにも拘わらず毎回お返事をいただいておりました。


その澤村先生のサイトには、脳腫瘍の種類別に詳しい解説があります。


http://square.umin.ac.jp/sawamura/


その中の小児脳腫瘍・脳幹部グリオーマのページを見てみると、新しい記述が加えられていました。

しかし、外国において試されたいろいろな治療方法でも、良い結果(命を救う)が得られた報告はまだないようです。


「2008年末の段階では特別な治療法というのはありませんから,できる限り自宅に近いところで治療を受けましょう,この病気の場合は遠方の経験数の多い施設へ移動するということはしない方がいいです」(by澤村先生)


りんりんは、放射線治療も通院で受けました。闘病中のほとんどの時間を自宅で過ごせたことはよかったと思います。


「放射線治療を終了してから,また病気が悪化(再燃)してしまうまでの期間 (PFS, TTP) は,5ヶ月から9ヶ月くらいが目安です
生命を失ってしまうまでの期間(OS)は,中央値で7ヶ月とも16ヶ月とも記載されています
放射線治療が終了してから数ヶ月の期間しかないのですが,この時間を大切にしようというのが大部分の医師の考え方です」(by澤村先生)


りんりんは放射線治療を終えて僅か1ヶ月ほどで再び左手の麻痺が始まり、2ヶ月後には右目の動きもおかしくなりました。無増悪期間がもう少し長ければよかったのに、残念です。

それでも5ヶ月後に歩けなくなるまでは小学校に通えていましたので、ぎりぎりまでほぼ普通の生活を送れたことは何よりだったかもしれません。


この病気、生まれた時から発症することが決まっていたのでしょうか?

それとも、生活の何かが違っていれば発症することはなかったのでしょうか?


発生のメカニズムが解明される日までこの疑問が消えることはありません。