どうも、Ritaro@精神保健福祉士です。
今回は、僕が勤めていた”障害福祉サービス”という業種のお話第2弾です。
良ければご覧ください(^^)
【僕がこのテーマを書く理由】
僕が障害福祉サービスという業界で働いていて感じたのは、なんとなく専門性が高いと思われているのか、特殊な世界と思われているのか、とにかく世間との距離が非常にあると思ったことです。
実際、僕の周辺にいる人たちは、僕が何を生業にしているかを明確に理解している方は少なかったです。なんとなくぼんやりと障害者と関わる仕事をしてる人、、くらいの印象がせいぜいでしょう。
本来、障がいがある方もない方も、地域社会において個人の尊厳が守られ、安心して暮らせる社会であることが理想のはずが、”世間の障がいに対する理解が追い付いていない”、”社会的な制度が不十分である”などの様々な要因が重なり合い、未だに理想からは程遠く、これらは日々アップデートをし続けなければなりません。
そんな中でも、業界に関わりを持った僕にできることは、世間の方々に1ミリでもいいので知ってもらい、尚且つ理解につながる(つまるところ、障害当事者が少しでも安心して地域社会で暮らしていける)きっかけを作っていくことだと感じています。
こうした背景があり、これらをテーマの一つとして書いていこうと思いました。
【福祉業界に潜むモンスターたち】
冒頭の余談が長くなりましたが、今回は、なかなか衝撃的なテーマを踏み込んで書いていこうと思います。
前回の記事(※見てない方はコチラをご覧ください)でも少し触れた通り、障がい者と共に過ごしていて、怖いのは障がいを持った方ではなく、むしろそれを支援する側の従事者であると書きました。これは本当に嘘偽りなく、大げさでなくモンスターだと思います。
誤解してほしくないのは、全ての従事者がそうだという話ではなく、一定数の方がモンスターですよ!という話です。とは言え、仮に少数派だったとしてもその負の影響力は甚大で、やはり職場のイメージや空気も悪くなるし、何より障がい者が不利益を受けます。冒頭で話した、世間への理解促進の動きとは、まったく逆をいってしまう関わりをしてしまうんですね。
世間との壁や距離を生んでしまう一番の要因が、まさか業界の従事者だなんてこんな皮肉なことはありません。福祉の機能がなかなか促進していかないはすです。
僕が勤務していて、実際に目の当たりにしたことしか書けないのですが、本当に数えきれないくらい事例が多すぎて、いくらでも書けてしまいそうですが、その中からでも際立ったものを二つほど抜粋して書きますね。
【モンスターの生態_その1】
障がい者は、その治療の為に定期的に病院の通院することが多いのですが、その障がいの度合いが故に、ドクターとうまくコミュニケーションを取れない方も多く、福祉従事者が通院に同行し、代弁するということがよくあります。精神の障害があり日中活動をグループホームで生活をしながら訓練をしていた方は、例によって定期通院の受診を、グループホームの女性職員と共に行っていました。最近、服薬がうまくいっていないのか、不穏な言動(独語が多くなる、落ち着きがない)などの症状が出ていたので、これらの実態を伝えた上でドクターからの見解を聞き、医療ケアの計画を微調整するという、いたって前向きなやり取りなのですが、この代弁をするべき女性職員はなんと、「最近の状態があまりにも変で、周りの利用者や職員はみんな恐れてしまっている。一刻も早く入院させて欲しい」などと伝え、この発言を信じたドクターは入院の措置を取りました。この方は精神科入院歴が非常に長く、20年近く閉じ込められて末にようやく社会に出てこれた方でした。
確かに精神疾患特有の独特な言語表現はありましたが、キャラクターはいたってチャーミングで、日中活動も本人なりのペースでしっかりできていた方です。どう考えても入院の措置は早すぎる決断でした。閉鎖病棟で有名な掛かり付けの病院でしたから、しばらく退院することは不可能です。
尚、これは3年近く前の話ですが、未だに退院はしていないそうです。
【モンスターの生態_その2】
生まれながらに孤児となり、施設で育った知的障害を持った女性がいました。ぱっと見には障がいを持っているか分からないほど、容姿や身なりがしっかりしていて、異性からの受けも良く爽やかな方でした。事業所でもアイドルのように扱われていて、生い立ちが不遇だったのもあり、非常に甘え上手な方でした。利用者さんからのウケが良いのはまだしも、なんと職員からもウケが良く、見えないところで優遇されていることもあったようです。
ある高齢の女性職員(非常勤)は、この女性利用者をえらく気に入ったようで、仕事が休みの日は、普段接している他の利用者もたくさんいるのにも関わらず、わざわざ本人が住むグループホームまで車で迎えに行き、個人的に外出させていました。
この結果、女性利用者はどんどんこの職員さんに依存し、自立に向けて頑張るのをやめていってしまいました。それどころか、「どうせ自分にとって都合のいい大人たちが守ってくれるから何もしなくていい」という変な自信までつけてしまっていました。
この女性職員、今では個人的な連絡先を伝え、連絡を取り合いながら個人的に何かを買い与え、食事をご馳走するなどしています。可愛い孫ができたようだと豪語しています。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。今回抜粋した事例は、ほんの氷山の一角中の一角です。障害福祉の現場では事の大小はあれど、このような事例は山のように起きています。こうしたモンスター達の言い分としては、「自分が利用者を守っているつもりである」とか、「支援の一環であって、他の職員がやりたがらないことを率先してやっている」などと歪んだ認識を持っていますが、決して忘れてはいけないのは、“どういう目的で障害福祉サービスという業態が存在しているのか”、“従事者はどういった意識を持って日々関わっていけばいいのか”という大原則があるということです。
今回事例に出てきた職員達は、一見正当な支援活動をしているようで、利用者を陥れる、若しくはダメな人間にしてしまう、という誤った関わりをしています。これは前述した大原則を完全に忘れてしまっているからに他なりません。
従事者はその与えられた職権から、利用者の人生設計に関わる重要なポジションですが、反面その活かし方を間違えると、たちまち成長にも自立にもつながらないダメ人間にしてしまうきっかけを作ります。
世間の理解を促していく前に、まずは足元(事業所)の土台固めから行っていかないと、障がい当事者がいつまで経っても安心して地域で暮らしていくことはできないしょう。
その為に、微力ながらも僕ができることは、こうして現場の実態を発信していって、一人でも多くの方に知ってもらうことだと実感しています。なので、これはシリーズとしてこれからも書き綴っていこうと思います。
それでは今回はこの辺で。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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