主人公達は少し河原で休憩したあと、また元来た場所を走った



そして、主人公の家の目の前まできた



「あっ、私の家ここなんだ・・」



そういうと、伊吹瞬は足を止めた



「じゃ・・オレ行くわ」


一瞬チラッと主人公を見て伊吹は走りだそうとした



「あっ・・待って!!」




主人公はとっさに呼び止めてしまった




「・・・なに?」



すこし迷惑そうな顔でこっちを見る伊吹




「また・・・迷惑じゃなかったら一緒に走ってもいい??」





「・・・・は?」


伊吹は驚いていた・・いや、呆れているようにも見える



(うわ・・迷惑がってそー・・!!
でも・・・伊吹くんといるとなんか落ち着くんだよね・・)



主人公は伊吹の顔をチラッと見た後、うつむきながら考えていた





伊吹は目を合わさず、ボソッと「水曜・・・」と言った



「えっ??」



主人公はパッと顔をあげた





「水曜日は・・・いつもこの時間。」




そう恥ずかしそうにポツリと言うと伊吹は顔を赤くしてくるりと背を向けて走り出した

(水曜日───・・・ってことは、いいんだ!!!!!!!)


主人公は嬉しくなって


「伊吹くん!!!今日はありがとー!!!!!!!」



と大声で叫んだ




二次元に恋するお年頃-F1070003.jpg
「変なヤツ・・・」



伊吹は主人公の方を向かずに走り続けていたが、その表情には笑みがあった────……。









次の日、主人公は極度の筋肉痛に見舞われ





「はうぅうぁああ!!」



歩く度に全身がミシミシと音をたて、思うようにスムーズに歩けない




「なによ○○、気持ち悪い声だして」



「オ・・オカーサン・・・・体が・・」




「なに?昨日少し走ったからって筋肉痛?うわ~若いくせに~」



母親はにやにやしながら主人公のくねくねした動きを見ていた




「わた・・し・・あるけ・・な・・」


「学校行きなさいよ。筋肉痛なんかで休むような子に育てた覚えないからね」



「・・・・・・・」




母親はサラッとそういうと「~♪」と鼻歌を歌いながらリビングへ戻っていった








いざ準備して学校へ向かっていると後ろから



「○○・・・?」




と声をかけられた

風間大翔だ。



「か・・風間くんおはよー」


「ど、どうした?歩き方気持ち悪いぞ?」




「き・・昨日久しぶりに走って・・」



「へえ~!!・・・一人で?」


大翔は何食わぬ顔で主人公に聞いた



その時主人公はとっさに
「うっうん一人でジョギングしてたの」
と嘘をついた


(別に嘘つく必要もないのに嘘ついちゃった・・まっいっか)




「それなら俺呼べよな~!!俺もジョギングしてるから、お前の為ならどこでも行ってやるよ」


大翔はにっこり笑った



主人公は胸がずきんとした




(え・・・なにこの感情。)




その時
「うーっす!!!」




後ろから声がしてパッとみると、来栖アキラが大翔に後ろからぶつかった






「ぐぇっ・・・あ・・アキラ!!!!!」



「おす!!あ、えーっと噂の○○さん」


「噂の・・?」


主人公が聞き返すと


「あーもう、アキラ、お前は少し黙ってろ。」



アキラは大翔の背中に飛び乗り
「誰に口聞いてんだ?あ?」


二次元に恋するお年頃-F1020098.jpg


「あー離れろ。あちぃ!!」と二人はじゃれあっていた




その姿を見て主人公は笑っていた──・・・・







学校につくと、


「ヒロトー!!!」と女が近づいてきた



「よぉ、沙也加じゃん。」


「おはよー!!サッカーのマネージャーってまだ募集してる??」



「別に締め切りとかないと思うけど・・・入部考えてんの?」



「うん!!ヒロト高校でも真剣にサッカーするんでしょ?ヒロトを間近で応援したいなーとか思ってみたり!!!」

沙也加は嬉しそうにヒロトの顔を見ている


主人公は大翔の後ろで動けずに立っていた



「おー!!まじで?でも・・・」


「きゃっ・・」



その時大翔は主人公を引っ張り、後ろから抱きしめるような格好で



「俺にはもう専属マネージャーがいるからさ、ほかのヤツの応援してくれよ」



と、全く悪気もない笑顔で沙也加にそう言った




沙也加は「へぇ・・」と少し落ちたトーンで言い、チラッと主人公をみたあと


「ヒロトの専属マネージャーなんか可哀想~!!私は絶対お断りだけどね!!」

とさっきのテンションに戻った



「んだとー??」



「○○ちゃんだっけ?大翔には気をつけてね!!ドSだから」



「おい、沙也加お前・・」




沙也加はべーっと舌をだし、自分のクラスへ入っていった



「なんなんだアイツ・・」





(たぶんあの子風間くんのこと・・・)




主人公はなんとなく
沙也加の気持ちを察した







この時はまさか沙也加が
この先最大のライバルになることを主人公はまだ知らない──────・・・。