すべての瞑想法は同じか?
ケン・チャウキン TMblog 2010年9月22日

meditation-techniques-different.jpg医師たちが、ストレスによる不調を改善するために患者に瞑想を勧める機会が増えています。そのため科学者たちは、多種多様な瞑想法がそれぞれどのような結果を生み出すのかを調査し始めています。

2010年の夏に発表された『意識と知覚』という論文では、瞑想を3つのカテゴリーに分けて解説しています。

1)集中する方法:対象物、考え、感情に集中する瞑想法
2)観察する方法:自分の呼吸、思考、感覚に注意を向ける瞑想法
3)自動的に超越する方法:自分自身の活動領域を超越する瞑想法

各カテゴリーは、瞑想中の脳波の測定結果にもとづいて分類されたものです。「瞑想は、ある意味で、知覚の活動であると言えるでしょう。知覚の活動の内容によって脳波は異なってきます。」とフレッド・トラヴィス博士は説明しています。トラヴィス博士は、この論文の共同著者であり、マハリシ経営大学の脳・意識・知覚センターのディレクターを務めています。

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※1)40Hzとは、非常に集中していることを意味します。
※2)左前頭葉は、幸福感と関係しています。
※3)同調とは、脳の中の2つの部分が会話をするように機能的につながり合っていることです。これは、脳の機能全体が、より目覚めていて、より活性化していることを意味します。アルファ波が同調すればするほど、人はより効果的に反応できます。例えば、空間・記憶・創造性・時間などについて、より良く能力を発揮することができます。

■各瞑想法の特徴
1)集中する方法:ベータ波とガンマ波に特徴がある。
  チベット仏教(無条件の愛と思いやりの瞑想)、
  仏教(ダイアモンドウェイ瞑想)
2)観察する方法:シータ波に特徴がある。
  仏教(マインドフルネス瞑想、ヴィパッサナー瞑想)
  ヴェーダの伝統(サハジャ・ヨーガ)
3)自動的に超越する方法:アルファ波に特徴がある。
  ヴェーダの伝統(超越瞑想)

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各カテゴリーに分類されたそれぞれの瞑想法は、集中の度合、主体と対象との関係、やり方に違いがあります。この違いに関する研究結果から、すべての瞑想法を同じものとしてとらえる一般的な理解は誤りであることがわかります。

「それぞれの瞑想法は、ちょうど薬と同じように、構成要素と効果の両方で違いがあります。ですから、すべての瞑想法を基本的に同じものとしてひとまとめにするのは、完全に間違っています。」とジョナサン・シア博士は述べています。シア博士は、この論文の共同著者であり、リッチモンドのヴァージニア・コモンウェルス大学の哲学の教授です。シア博士は、瞑想について数冊の本を書いており、世界の主要な瞑想法を紹介している『瞑想の経験』は広く知られています。

「瞑想の実践による生理学的な変化や臨床上の効果を検討する上で、それぞれの瞑想法の明確な違いを考慮すことがとても大切です。もしすべての瞑想法を同じものとして考えてしまうと、現象学的、生理学的な結果と臨床上のデータを有意義に判断することはできないでしょう。」とトラヴィス博士は説明しています。
研究が示す「うつ症状」に対する超越瞑想の効果
マリオ・オルサッティ TMblog 2010年8月3日

Depression-3.jpg超越瞑想は、うつ症状の改善に効果的であることが2つの新しい研究で明らかになりました。この研究は、ワシントン州シアトルで行われた第31回行動医療協会の年次総会で発表されたものです。

研究調査は、2か所で実施されました。ロサンゼルスのチャールズ・ドリュー大学とコハラのハワイ大学です。調査の対象になったのは、55歳以上の心臓血管病の危険性がある人で、アフリカ系アメリカ人とネイティブハワイアンの両方を含みます。調査の対象者は、超越瞑想を行うグループと健康に関する教育を受けるグループに無作為に分けられ、9~12か月間にわたり、うつ症状に関する検査が行われました。

その結果、超越瞑想を行うグループは、健康教育のグループに比べて、うつ症状の著しい改善が見られました。最も改善したのは、臨床的に重大なうつ症状を持った人で、超越瞑想グループは平均48%の改善が見られました。

Hector-Meyers-Psychology.jpg「これらの研究結果によって、超越瞑想がうつ症状の治療に付け加えられる可能性が高まるでしょう」とヘクター・メイヤー博士は語っています。メイヤー博士は、この調査の共同研究者であり、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学部臨床訓練の教授および学部長を務めています。

これらの研究結果は、現代社会にとって非常に有益なものです。うつ病は、中年期以降のアメリカ人を特に衰弱させる病気で、約20%の人が、ある種のうつ症状に苦しんでいます。

うつ症状は、社会に対して大きな影響を与えています。アメリカ合衆国全体で、1240万人の女性と640万人の男性が、うつ症状に苦しんでいます。うつの症状は、心臓血管の病気に対する大きな危険要因となっており、軽い症状の場合であっても心臓病につながると言われています。うつ症状を改善するために、職場や医療現場では年間約831億ドルもの費用がかかっていることがわかっています。

うつ症状の改善の研究結果
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このグラフは、うつ症状の改善結果を表しています。心臓血管病の危険性のある55歳以上の人で、超越瞑想グループと健康教育グループを比較しています。調査の対象者は、無作為にグループ分けされました。この研究は、国の助成金(国立心肺血液協会、国立代替補完医療センター)によって実施されたものです。
サマーディはヨガの到達点ではなく、始まりです。
ニール・ディッキー

yoga-samadhi-2.jpg非常に多くの人々がヨガを趣味として始めています。ヨガの穏やかな動きは身体に優しく、楽しくてやりがいがあり、どの運動よりも効果的だからです。ヨガには心を落ち着かせる効果があることを多くの人が認めています。ゆったりとヨガの練習をし、身体を伸ばしたり、呼吸法を行うことで、忙しい日々の心配事から離れて、今という瞬間を楽しむことができます。

ヨガの姿勢を練習することは、とても楽しいことです。しかし、多くのヨガの実践者たちは、深い瞑想の体験を通して体と心と精神を統一することで、自分のヨガの実践をさらに深めることができるのではないかと感じています。そのため、ほとんどのヨガ教室で瞑想を勧めていますが、ヨガを習う人たちは、瞑想を始めることを先延ばしにする傾向があるようです。瞑想するためには強固な自制心とレーザー光のような集中力が必要で、自分にはそれが欠けていると感じているようです。

多くの人が瞑想は難しいと考える原因のひとつは、ヨガの8支則(パタンジャリのヨーガスートラで説明されているアシュタンガシステム)に対する誤った理解からやってきています。

ヨーガ・スートラの原文では、ヨガの8支則は次のような順番で示されています。

? 5つのヤマ(個人の道徳) アヒンサー(非暴力)、サティヤ(正直)など
? 5つのニヤマ(生活の規律) サウチャ(浄化)、スワーディヤーヤ(学ぶこと)など
? プラーナヤーマ(呼吸法)
? アーサナ(ヨガのポーズ)
? ? ? 精神的な練習の3段階 プラティヤハーラ、ダーラナ、ディヤーナ(瞑想)
? サマーディ 忙しく揺れ動く心と、最も深い静寂のレベル(大我)との統合。個々の波が落ち着いて無限の海を経験すること。

アシュタンガという言葉は、8つのステップや8つの段階ではなく8支則と訳されているにもかかわらず、多くの人がパタンジャリの意図を誤解してきました。サマーディを得るためには、1番目の個人の道徳から始めて、2番目の生活規律を実践し、最後に瞑想をするという順番で練習すべきだと考えてしまったのです。

Yoga-2.jpg約40年前、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーが世界中をまわって超越瞑想を教えたとき、ヨガの世界にセンセーションを巻き起こしました。彼が教えた瞑想法は、シンプルで簡単に習得でき、サマーディを直接体験できる方法です。マハリシは、ヨガの初心者も含めて興味のある人すべてに超越瞑想を教えました。その頃、ドイツで、ヨガの実践者たちがマハリシに会いに行き、ヨーガの8支則について質問しました。

マハリシは彼らを歓迎し、パタンジャリに敬意を表しながら説明を始めました。パタンジャリは長い時の経過のために誤って解釈され、パタンジャリの意図とは正反対に理解されてきた、とマハリシは説明しました。「ヨガの練習はヤマ(個人の道徳)、ニヤマ(生活の規律)の順番で行うと考えられてきましたが、しかし本当は、サマーディから始めるべきなのです。ヤマやニヤマなどの練習によって、サマーディに到達するわけではありません。サマーディの経験を繰り返すことによって初めて、道徳心が向上するのです」。つまり、道徳心や行動の向上がサマーディをもたらすのではなく、サマーディの体験こそが道徳心や行動の向上をもたらすのです。

例えば、意識の中ですべてのものが統一されているという体験によって、アヒンサー(非暴力)が成長します。この生命の一体感は、サマーディの状態で直接体験できるとマハリシは述べています。同様に、アスティヤ(無欲)は、充分に満足を感じているときにのみ到達できます。サマーディという至福意識の永遠の領域を繰り返し体験することによって、最も揺ぎない内なる幸福が自然にやってきて、アスティヤに到達できるのです。

至福意識とは、ヨガによってもたらされる、より高いレベルのことです。ヨガは統合という意味です。ヨガは、身体と心と呼吸の統合と定義されています。さらに高いレベルでは、動き回る心(小我)と宇宙の知性(大我)との統合を意味します。ヨーガスートラによると、この統合は非常に素晴らしい至福をもたらします。

瞑想を通して大我と一体になるという経験について、マハリシは、次のように説明しています。「その幸福の強さは、最高の強さをさらに越えたものです。この至福により、大きな悲しみも小さな悲しみも、あらゆる悲しみの可能性が消えてなくなります。太陽の輝く光の中には、どんな暗闇も入り込めません。どんな悲しみも至福意識の中には入り込めませんし、また、至福意識が至福意識以上のものを得ることもありません。この自足の状態により、人は自分自身の中に安定し、永遠の満足に満たされます。」(マハリシによるバガヴァッド・ギーターの翻訳と解説、6章20節より)

ではなぜ、人々はこの至福にあふれた自然な過程をなぜ難しいと考えたのでしょうか。パタンジャリは、ヨガを「心が完全に落ち着いた状態」(ヨーガスートラ、1.2)と定義しています。しかし、現在習うことのできる多くの瞑想法では、ある程度の集中や努力やコントロールを必要としているために、心が完全に落ち着くのを妨げています。これに対し、超越瞑想は何もしないという方法です。いかなる種類の試みも必要とせずに、瞑想者が簡単に内側に飛び込めるようにします。

簡単で努力のいらない瞑想は、啓発へと至るための「本物の瞑想」だと言えるでしょうか? 答えはイエスです。超越瞑想のシンプルさを誤解している人がいるかもしれませんが、超越瞑想は、本来の純粋な方法を復活させた瞑想法です。シンプルで簡単なのは自然だからです。つまり、心と体の基本的な性質と完全に調和しているので、効率が良いのです。自然は常に効率的です。例えば、自然のすべての動きは、最も少ない活動や努力を選びます。同じように、超越瞑想を努力なしに実践している人は、心の奥深くまで飛び込むことができるのです。

サマーディというヨーガの8支則の中で最も重要な領域を養うことで、ヨガという木全体に滋養を与えることができます。超越瞑想を日課にしているヨガの実践者たちは「超越瞑想を行うことで、深い静寂が得られ、ヨガの実践が楽しくなり、人生が喜びに満ちたものになる」と話しています。サマーディはヨガの初めに体験するものであり、ヨガの実践を至福に満ちたものにするために不可欠です。