比較に用いたイヤホンは、SONYの「MDR-EX300SL」(ハイブリッドイヤーピース Mサイズ)です。しかも、使用歴6年程度と年季の入ったものです。一番慣れ親しんでいるイヤホンなので、今回の比較に用いました。周波数特性のイメージは図2のような感じで、低音強めのドンシャリです。解像度、音の分離具合ともに普通。音場は普通~やや広い。
図2.EX300の周波数特性のイメージ
各項目は5段階評価、1が最低、5が最高となります。ハイブリッドイヤーピースを基準としています。言うまでもありませんが、あくまでも私が感じた印象です。<ハイブリッド>
高音:3 中音:3 低音:3
解像度:3 音場の広さ:3
3種の中で最もシリコンが薄いです。耳の中の圧迫感は殆どなく、最も着け心地が自然です。4個で400~500円とコスパは普通、色んな所で入手できる意味でも普通な存在だと思います。
<ファインフィット>
高音:3 中音:4 低音:4
解像度:4 音場の広さ:2
3種の中で最もシリコンが厚いです。耳の中の圧迫感は少し気になる程度で、安定性が良いです。6個で400~600円と、コスパは良好です。音場が狭くなる代わりに聴こえが良くなることから、モニター系との相性が良いと思いました。
<スパイラルドット>
高音:3 中音:3 低音:3
解像度:2 音場の広さ:4
周波数的なバランスは普通なものの、少し音がボヤける代わりに音場がやや広くなります。一言で言うなら、聴き疲れしにくい音。6個で1000~1400円と、コスパは悪いです。分かりやすく玄人向けだと思います。
で、残るJVCの低反発イヤーピースですが・・・
<JVC低反発>
高音:2 中音:3 低音:3.5
解像度:2 音場の広さ:2
今回の比較対象の中で唯一のウレタン製です(他はシリコン製)。音質は好みによって評価が分かれるので色々言いたくありませんが、正直に言って、このイヤーピースは音質が良くなりません。
このイヤーピースは全てウレタンで作られています。つまり、ステムに嵌めるところも柔らかい素材でできています。外れやすいわけではないのですが、耳の中にイヤーピースが残る心配は残ります。
ウレタン製と言えば、遮音性が高い特徴があります。しかし、このイヤーピースは遮音性が大して向上しません。他のウレタン製に比べ、このイヤーピースは"本当にウレタン製か?"と疑ってしまうほど、高反発です。装着感は良くありませんし、耳に入れにくいです。
4個で400~500円なのでコスパは悪くありませんが、間違いなく私はお勧めできません。
今回の比較対象4種は、いずれも太めなステムを持つイヤホンに使用できます。有名どころでは、SHURE、Westone、Etymotic Researchは細いステムとなっているので、逆にそれら以外のメーカーの多くイヤホンに使用できると言えます。勿論、例外もありますが。
同様のステムに使用できるイヤーピースとして、スピンフィット、ノイズアイソレーション、ノイズアイソレーション(朱肉)などがあります。それらは、機会があったら試そうと思います。ノイズアイソレーション、ノイズアイソレーション(朱肉)の2種類は持っているので、すぐにでも試すことができます。ただ、ステムに嵌めにくいので、また後日。