昨日は、島之内若手落語家チャンピオンシップを観に行きました。
桂九雀師匠の司会
で、スタート!
まずは…審査員の紹介とルールの説明。
上方落語協会会長 笑福亭仁智師匠
上方落語協会副会長 桂米團治師匠
主要公演委員長 桂春若師匠
のお三方が審査員として、若手の落語家を評価します。ルールは、演者の持ち時間は、10分。頭を下げてから10分と。審査員は1人100点の持ち点、細かく1点単位で評価するということでした。
この説明にすかさず、「小数点は、あかんの?」と細かすぎる質問。さらに賞金💰3万円
の声に客席が「えぇ〜?」と少ないんちゃう?と言わんばかりの声に「わかった!」と言って、仁智師匠
と米團治師匠
のお二人がポケットマネーからそれぞれ、1万円ずつ追加!これには、客席も「おぉ〜!」と大盛り上がり。春若師匠も1万円
の追加を出そうとしましたが…九雀師匠に「もう、よろしい。ややこしなるわ。丁度、キリがええから…これは、打ち上げ代や!」と打ち上げ代として没収されていました。
去り際も米團治師匠から携帯の電話を切るようにと注意が…手に持つ携帯は…ガラケー!「いまどき、ガラケーって…」とツッコミを入れる仁智師匠!ガサゴソとポケットから取り出した携帯は…ガラケー!
見事なオチをつけて舞台裏へ消えていきました。
いやいや、師匠方…どんだけ笑いを取るねん
若手の登場の前に会場の笑いを取りに行くって…「お笑い」どこまでも貪欲な師匠方は、すごいですね


トップは…
上方落語界の“らぶりん”こと林家愛染さんで、古典落語の「七度狐」お伊勢詣りの道中で起こる旅人の噺。旅人が何気に放った石ころが、草むらで気持ちよく寝ていた狐🦊にコーンと当たったところから始まるなんとも滑稽な噺。一度受けた仕打ち、その人への仕返しに七度騙すという狐🦊。
旅人の騙され方が、実に愉快でした。
かなり、緊張されていたようで…その緊張が伝わってきました。七度狐は、仁智師匠の狐が妖艶で色っぽく好きですが、若く初々しい狐も良かったです。もっとゆっくり聴きたかったです。この話は、10分では、勿体ないですね。
続いて…
上方タヌキ一族の桂和歌ぽんさんでお相撲さんが出てくる古典落語「大安売」。
めっちゃ、一生懸命に喋ってはりました。
おそらく…あまり…高座でかけていないのだろうなぁと…ネタおろしを観ているような気持ちで聴いていました。ようやく、最後までたどり着いて…というところで…下げ前で、拍子木がチョ〜ン!っと。「えっ?」と思っていると…和歌ぽんさん頑張って最後までつなげました
無事、最後まで行けてよかったですね。
そして…文枝一門からの刺客その①
上方落語界の…何だろう?桂三語さん
で師匠の作品「青い瞳をした会長さん」。
某コーヒー☕️店のメニューをいうシーンは、古典落語の「寿限無」を彷彿とさせるもので、思わず、拍手👏が湧き起こりました。
このネタは…落語ならではの「そんな町内会あるかい!」と言うてしまう町内会の設定。でも、内容に共感できるものが散りばめられていてクスクス笑ってしまう仕上がりになっていました
それから…
上方落語界の美人の巣窟、露の一門の刺客。
カッコいい露の眞さんで「蛸芝居」。
これまた、「そんな家、あるかい!」という設定の大店の噺。一家全員が芝居好きという。ちょっとした会話がお芝居の口調。終いには、魚売りも売りモノの蛸🐙までも芝居をするっていうから、面白い!芝居もののハメもの落語。
演者の落語家の動きと袖で鳴り物をする人との阿吽の呼吸が難しいですよね。眞さんの動きは美しくキレがあってよかったです。
芝居好きの私としては、たまらないネタでした。
仲入り前…
上方落語パン
チョー一門からの刺客…桂治門さんで「野崎詣り」。
何度か聴いたことがあるネタ!やっぱり、とても丁寧な語り口で、聴きやすいですね。
船から道行く人へケンカを売り…勝ち負けで、自分の運を試すという。
船から声をかけるシーンが声のトーンで距離感が見えるようで楽しかったです。
昔は…口喧嘩をしてもちゃんと落とし所を作って仲直りする。今の時代とは違って、人の心の大きさ…おおらかさが見える噺。
治門さんが演じるとなんともほっこりとした気分になります。
ここで、仲入り。
明けて…
スッキリ、お正月の準備ができた頭で登場した笑福亭呂好さんで「ふぐ鍋」
。
冬にぴったりなネタです。
ふぐの毒にあたりやしまいかとなかなか箸が進まない。お余りをいただきにきたものに少し分け与えて、何ともないかを確認。いざ食べてみると、美味しくすっくりと食べ尽くしてしまうと。
今の時代は、毒のないふぐ🐡の開発も進んで、将来的には、ふぐ鍋も安心して食するようになるのかなぁと。
さて、続いて…文枝一門からの刺客②…入門当時期待されていたという桂三河さん
で「そこつ長屋」。ワンランク上のアホが登場する噺。
三河さんの「そこつ長屋」は、何度も聴いたことがあって、余分なものを削ぎ落とし、研磨して三河クオリティーの古典落語に仕上げていました。
おみごと!です。本当に楽しい話です。
高座の上では、座布団の上に座りっぱなしですが、顔の向け方や手振りの動きで空間の広がりを上手く表現していて、世界観に引き込まれました。いやぁ〜、楽しい。
トリは…露の一門からの刺客②…露の紫さん。
「あいかぎの変(くまざわあかねさん作)」。
いつの世代にも共通の永遠のテーマ?嫁姑問題を明るく痛快に展開。
紫さんが演じる姑が面白く、妻と夫の会話もむっちゃ面白い!ツボにハマり、終始爆笑でした


さて、審査がサクッと終わり演者さんたちの感想の後、いざ発表!
満場一致で、露の紫さんが優勝でした


2位は…桂三河さん!でした。
タイムオーバーは…桂和歌ぽんさん、桂治門さん、笑福亭呂好さん。
タイムオーバーの演者を発表するたびに仁智師匠が「アウト〜!」
と。
私の順位と1位&2位は一緒でした。
私としては、3位笑福亭呂好さん、4位…同率3人で、桂治門さん、露の眞さん、桂三語さんでした。
次回は…お客さんも投票して採点するらしい。
次はどんな落語に出会えるか楽しみです。