【「人を動かす」を何回も読んだＳＶ】②
【ケーススタディ】
店長が全く言う事を聞かない。オーナーがアポイントをすっぽかす。責任者とコミュニケーションが取れない。
このようなお店を改善する為には、どのようなアプローチをすれば良いのか？
このような店舗の場合は、まずキーマンとなるアルバイトを探す。店長のやる気が低いお店でも、探せば必ず「もっと仕事を教えてほしい！」「もっと自分を向上させたい」という、店長よりも数倍やる気のある従業員が、不思議といるのです。
では、このようなアルバイトをどのようにして見つけるのか？
オーナーや店長がアポイントをすっぽかすような店舗の場合、無理してオーナーとコミュニケーションを取る必要はないです。
お店に行ったら、黙って汚れている場所の掃除をしたり、陳列のおかしい場所の手直しをしたりしながら、お店でわからない事がでてきたら、従業員にいろいろと質問をしたらいいのです。そして、自分がコミュニケーションを取りやすいアルバイトが見つかったらそのアルバイトがこのお店のキーマンになります。
キーマンに対して「自分はこのお店をもっといいお店にしたい！このお店がもっと○○だったらいいのになー。もっと○○だったらいいのになー」と語りかけていきます。
そうすると、「ＳＶさんの言う通りにするので、私に何でも言って下さい！」とアルバイトの方から言ってきます。そういうアルバイトに対して、「○○してくれると助かります！○○してくれると嬉しいです！」と言いながら教えていきます。
ここでのポイントは、オーナーさんや店長の悪口を全く言わない事と、指示・命令しない事です。悪口・陰口をＳＶが言ってしまうと、回り回って必ずオーナーさんの耳に入ってしまうので、絶対言ってはいけません。また、指示・命令はあくまでも店長の権限なので、ＳＶがアルバイトに命令したり指示してはいけません。従業員が自主的にやるように促すだけです。
そして、ルーチンの店舗巡回の間に、１回５～１０分のイレギュラーな訪問も混ぜて訪店回数を増やし、優秀なお店よりも行く回数を増やします。そして、行く度ごとに、仕事が良く出来ていたら従業員をホメまくります。できていなかったら、見本を見せて「こういうふうに、やってくれたら嬉しいなー」と言います。絶対に命令はしません。
やる気のない店長のお店で働いている従業員ほど、店長から褒められる経験をしていないので、ＳＶがホメてあげれば、がんばって仕事するようになります。
店長の行動が変わらなくても、従業員の行動が変われば、お店の売上は上がり始めます。そうしたら、次は、「オーナーさんの発注が上手なので、売上が上がっています！」「店長のやり方が素晴らしいので、だんだんといいお店になってきています」とオーナーさんや店長を褒める段階に入っていきます。
この時のポイントは、「お店を掃除したのは私です」とか「従業員教育、頑張りました」とか、ＳＶ自身が自分の苦労や自慢話を言わない事です。
言わなくても、もうこの段階で「ＳＶのおかげで、この店の売上が上がっている」「このＳＶは、これまでの歴代のＳＶとは全然違う！」という事をオーナーや店長は既に気づいているので、この段階でＳＶのアドバイスを受け入れる体制が整ってきています。
一番カンタンな方法は、「一緒にお店を見に行きましょう！」と言って、レベルが高いお店の見学に、ＳＶが連れていってあげればいいのです。そうすれば、自分のお店と優秀なお店のレベルの違いに、店長自身がガクゼンとし、自ら改善を図ろうと勝手に店長が動き出すようになります。
それができなくても、どうしても改善してもらわなければいけない課題がある時は、ホメ言葉とホメ言葉の間に、苦言を挟み込んで伝えるサンドイッチ話法を多用します。また、噛み合わない話は意図的に避けるようにしていきます。
本部の会議の内容がなんたらかんたらとか、こちらが伝えたい事よりも、オーナーさんや店長が喋りたい事を優先し、ひたすら聞き役に回ります。ひたすらひたすら聞き役に回ります。相手の話を聞くのが８割、自分が喋るのは２割ぐらいでいいです。ひたすら聞いていると、この店が自分に対して求めているのは何なのかっていうのがわかってくるので、ひたすらそれをどんどん解決していきます。わからない事を言われたら「宿題にさせて下さい！」と言って、後で上司に聞いたり、先輩に聞いたり、自分で本を読んで調べたりして、次回訪店時に解決してあげます。そうすると、お店との間に信頼関係が構築され、最初は全く言う事を聞かなかったお店が、アドバイスを聞いてくれるようになります。
このレベルまで到達すると、最初から優秀なお店は、当初からＳＶの指示に従っているので、ほぼ全店ＳＶがコントロールできるようになります。更に進むと、店舗巡回しなくても、電話一本ですべてのお店がＳＶの指示に従う神レベルのＳＶになります。