SUMCOの業績が好調である。2022年4‐6月期の営業利益が263億円と、前年同期比で2.1倍となっている。さらに7-9月期見通しは275億円とさらに増える。それだけ半導体シリコンウエハーの需要が伸びているのである。

 

SUMCOは半導体シリコンウエハーで信越化学に次いで世界2位のシェアを持っており、時価総額は7000億円超え。その強みはなんといっても今後さらに需要が伸びるとされている『エピタキシャル(膜気相成長)』ウエハーにある。データセンターやHPC、スマートフォンに対する需要増から、7nm世代以下のウエハーの需要は2022年から2026年にかけて、年平均成長率27%で伸びるとされている。そしてSUMCOは高い研究開発力と技術力を持っており、シリコンウエハー製造に関しては世界No.1の保有特許件数を誇るのである。

 

そんな強みと需要増の追い風環境を生かすため、SUMCOは攻めの姿勢に出ている。佐賀県伊万里市の主力工場を中心に、国内外で計3400億円もの大型投資に踏み切ったのである。新棟は2023年後半に竣工し、24年に量産開始。そして顧客と長期契約を26年まで結んでいるため、26年までフル稼働が約束されている。

 

国は半導体デバイス産業への投資を中心に考えがちではあるが、このような川上産業の企業への投資にも積極的に検討してもらい、優良企業をさらなる高みに引き上げてもらいたいと感じる。