8月2日からのナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、米・中国間の緊張が高まることとなった。ペロシ氏は大統領権限を継承する順位が副大統領に次ぐ2位の要職となるため、実質アメリカのNo.3となる。そのペロシ氏が台湾支持の姿勢を示すことで、それはもはや彼女自身の考えではなく、アメリカの国家としての姿勢として捉えられることとなる。その結果、中国からの反発を受け、台湾周辺での中国海軍による軍事演習や日中外相会談の中止という結果を招いた。

 

さらにこの事態を受け、半導体株が世界的に下落している。台湾には世界最大の半導体受託製造会社、TSMCや同業のUMC(United Microelectronics Corp)が存在する。両社の株価はそれぞれ2.4%、3%下落した。NVIDIA、インテル、クアルコム、マイクロンなど米チップ銘柄は0.7~1.9%の下落。フィラデルフィアSE半導体指数(.SOX)は1.1%下落した。欧州ではインフィニオンが1%下落し、オランダのASML、ASMI、BESIは2~3%下落した。半導体業界にとって、台湾地域の安定がいかに重要であるか改めて示すこととなった。