いつだってキミは太陽だから -2ページ目

いつだってキミは太陽だから

~ モノノフと、それを取り巻く人々の悲喜こもごも ~

 

 

 

”いいわよ

”…

”好きなの、かけていいわよ

 それと…、今日は上がってってね、

 コーヒー御馳走するからさ、まぁ

 教授なら上も文句言わせないでしょ 

”…

 

          ~ ♪ ~ 

      訳もなくため息こぼれるとき

     自分が嫌になりそうになったとき 

          ~ ♪ ~

 

”おかげで…声、

 聴き分けられるようになっちゃった

”申し訳あり…

”観てきたわ、でもやっぱり苦手なのよね、

 この歳で昼日中の屋外は無理あるよね

 寝てる時間だし、化けの皮剥れるよね、

 明るいとこじゃ

”…

”初めて送りしてくれた時、覚えてる?             

 まだ小屋で上がってた頃だしさ

 正直、何ほざいてんの?って思ってよ

 忘れちゃった?

”いえ、はっきりと…

”だよね、そうじゃなきゃ今ひっぱたくとこ、

 罵声浴びせてこう云うシュチで流行だよね

 あん時、教授がって聞いてイタイ奴かと

 思ったけどさ、戦場カメラマンだっけ?

 あと途中で止まって音なしで歌うやつとか

 観て、なんかキタんだよね~、聞いてる?

 ならいっけど~、で、綺麗な汗とかって話

 した時かなぁ~貴女の汗も負けないくらい

 綺麗です、なんて真顔で言う奴いる?

 住む世界が違う、とか観てる景色が違う、

 とか僻んでるような奴にだよ?

 いないから、普通、小屋上がりの送りに…

 まぁ教授が上がったり色セル廻してたって

 聞いて意外だったけど嘘吐かないからね

 その教授がだよ、コノウタかけながら~

   貴女の汗も負けないくらい綺麗です、

   同じ空の元、観ようとしないだけです、

   目を背けているだけです、

 なんて口説き文句にしてはキッついよね

 下心ゼロだったみたいだけどさ

”…笑顔の魔法…です…

”判ってるよ、そんな気サラサラないってこと

 コノウタかかったから言いたかったのよ~

 ありがとうってさ、忘れるくらい遅かったけどさ

”いえっ、そんなことは…

”だから今日は上がってっていいからさ、

 でもやっぱコーヒーはセルフでよろしく

 あと、寝ちゃったら適当に鍵掛けといて

 ごめんね、おやすみなさいだわ~

”コーヒー、ご馳走になります

 

 ~ ♪ ~ 

   すべてが無駄じゃなく

     力になるってことを
       皆で証明しようぜ

               ~ ♪ ~

 

 

 

”あ、そう言えば…いつから?

”何が?

”教授が住み着いたのはよ…いつ?

”住み着いたって…もうちょっと言い方…

 まあ、間違いではないのかなぁ…

”でしょ、でも何で?…もしかして…!?

”違うわよ、違うと思うわ…そうねぇ~

 まだここに飾り窓があった頃かな?

”へぇっ?ここに飾り窓!?飾り窓って

 あ・の・アムステルダムの・ヤツ!?

”そうね、あたしが座ってた…

”え?じゃあここって…じゃあ教授も…

”まあ…、でも教授は違うわよ

 二階の住み込み第一号ってとこかしら

”第一号ってことは…それまでは…そう云う…

”そ、そう云う部屋だったのを先代から代替り

 して、今じゃあんたたちのヤサになってるし

 よかったでしょ、教授に感謝しなきゃね

” …!…

”なぁに?軽蔑した?

”…先代って呼ぶんですね、親なのに…

”かわれただけだからね

”えっ…

”教授のことだったわね、

 昔は飾り窓から結構見渡せたんだ、あっちまで

 今ぐらい、もうちょっと季節が浅かったかなぁ?

 背筋がピンとした奴がツツーって動いて来ては

 何か拾うんだよ、何度も

 頭の位置動かないからホント移動してくる感じ

 それで何か拾っちゃぁ植込みに向かうんだけど

 目の前まで来てやっと判った…蝉だった

”せ・み?

”季節が深まると疲れて地面につかまってる蝉、

 見たことない?

”あるけど…疲れてって云うか…地面につかまる

 って云うのは…

”それは、教授の表現ね、つい声かけて聞いたの、

 ヤバイ奴かもって思ったけど…ついね

”ついって…

”そしたらさぁ、教授が勿論真顔で言うんだよ、

 こんな感じに…

『哺乳類から見れば短くても、蝉本人からしたら

 その何日かが全力の命、それがアスファルトの

 染みに成れ果てるのは違うと思う。諦めて腹を

 見せる奴に手は差し伸べやしないし、靴の底で

 カサカサと音をたてて散るのはさだめ。でも疲れ

 果てても地面につかまってる奴は最期になろう

 とも枝につかまらせてやりたい。最期まで蝉の

 尊厳を貫かせてやりたいと思ってしまう。

 …駄目でしょうか?』

 ってね

”何それ!?

”そう、はぁ~?だよね、で、その日から住み着いたの

”何で?どこをどうしたらそうなるの?ねぇ!

”多分…あたしが飾り窓を捨てたからかなぁ~、ね

”ね、じゃないし、やっぱそれ只の住み込みなの?

”そうよ

”いやぁ違うし…違うよ

”そぉーお? あんたの先輩の住み込み人よ

”…?…!…?…

”あらもうこんな時間、急がないと~

 

 

 ~ヤーレンソーラン

     どっこい 故郷 胸に秘め 今 羽ばたけ
       七転八倒 神のみ知る 旅路は これ未知なり

            今 道なき 道を旅する 冒険者

 

 

 

”どうしたんんですか? 急にチャンネル変えて!”

” … 

”今日はジャズィーなご・気・分?”

” … 

”あっ、ほらモノノフにだって、き・聴きたくない曲も…

 

”ダメな曲だ、って思った

 

”…?”   ”?…”   ”…”

 

”まだダメなんだと思った

 

”…?”   ”…?”   ”…”

 

”「年越イベ」のVで最初に聴かされて…

 唐突に涙が溢れて、 嗚咽が堪えられなくて…

 あっ、これダメなヤツだ…まだ聴けない、

 聴いちゃいけないんだ、 って判った…

 

”?…”   ”…”   ”…”

 

”もういいのになぁ~、

 何十年経ってるんだよって感じでもダメなんだよ

 ずぅ~っと消えないかもなぁ、いい歌なのに…

 いい唄だからかなぁ…スッと入ってくるくらい…

 

”?…”   ”…”   ”…”

 

”赤推で、あの百田さんがこんなにもスゴくなったのに

 聴けないのはモノノフ失格だよなぁ・・・

 新宿のゲリラに出くわして以来やっと臨場しよう、って

 矢先のこれで 未だに臨場できなくて在家なんだよね。

 臨場しててこれ聴かされたらって想うと…、

 ん~ん…無理センだよね、やっぱ。

 

”…”   ”…”

”…歌、って、上手い下手だけじゃないってことよね…”

”それ、褒めてなくない? モノノフの末席を汚す者として

 聞き逃せないよ。

 まぁ、上手い下手じゃなくて、あの5人はスゴイんだよ!”

 

”…”   ”…”

”臨場して聴ける日が来るといいわね” 

 

”まっ、いつか笑顔で聴ける時が来たらね…

 ん? 看板出した!?”

 

”え、あ、まだ~

”頼むよぉ!

 

 

 

~僕の心が今 どんなに地獄でも

     僕のまわりの世界は今日も普通の一日…~

『赤いリンゴ』、『真っ赤な太陽』…

 

いつの時代にも『赤』は奮起を促してくれる。

 

鼓舞し、発破をかけ、それでいて…

 

時にその熱さが暖かい。

 

辛い時ほど救われる。

 

『週末ヒロイン』は世紀末ヒーロー

 

『Z伝説』は救世主伝説

 

応援しているつもりが背を押されている。

”あのぉ~っ、………”

 

” ・ ・ ・ ”

 

”あのぉ~っ、今、いいですか? あっ、”

 

” ・ ・ ・ ん?、ごめん、気づかなかった、どうした?”

 

”あれっ? モノノフなんでしたっけ?”